3月の米消費者物価指数、原油価格上昇の影響が顕在化、今後のインフレ基調への影響も懸念

(米国、中東)

ニューヨーク発

2026年04月14日

米国労働省が4月10日に発表した2026年3月の消費者物価指数(CPI)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは前年同月比3.3%上昇(前月2.4%上昇)、前月比0.9%上昇(前月0.3%上昇)となった。前年同月比では2024年5月以来、前月比では2022年6月以来の高い伸びとなった。一方、変動の大きいエネルギーと食料品を除いたコア指数は、前年同月比では同2.6%上昇(前月2.5%上昇)と3カ月ぶりに伸びが前月をわずかに上回ったものの、前月比では0.2%上昇(前月0.2%上昇)とほぼ変化はなく、3月時点では米国・イスラエルとイランの衝突に伴うインフレ基調への影響は限定的な範囲にとどまっている(添付資料図1、表参照)。なお、CPI、コア指数ともに市場予想をわずかながら下回った。

品目別に前年同月比の伸びをみると、エネルギー価格は、ガソリン価格の上昇(18.9%上昇)が顕著で、かつ電気(4.6%上昇)、ガス(6.4%上昇)などのサービスも比較的高めの伸びとなった結果、全体としては12.5%上昇(前月0.5%上昇)した。他方、食料品は、野菜・果物など燃料費上昇の影響を受けやすいアイテムに一部上昇もみられるが、今のところ影響は限定的で2.7%上昇(前月3.1%上昇)にとどまった。

これらを除いたコア指数では、財価格(1.2%上昇、前月1.0%上昇)は衣料品(3.4%上昇、前月2.5%上昇)やコンピュータ関連製品(2.2%上昇、前月0.9%上昇)などが比較的高めの伸びを示したことを反映し、伸びがわずかに加速した。

サービス価格(3.0%上昇、前月2.9%上昇)は住居費(3.0%上昇、前月3.0%上昇)の伸びはほとんど変化がなかったものの、原油価格の上昇を反映して航空運賃(14.9%上昇、前月7.1%上昇)の伸びが加速するなどした結果、住居費除くサービス(3.4%上昇、前月3.3%上昇)はわずかに伸びが加速した(添付資料表、図2参照)。

瞬間風速を示す前月比では、財部門は0.1%上昇(前月0.1%上昇)、サービス部門は0.2%上昇(前月0.3%上昇)だった。伸びが上昇・低下した主要な項目は前年同月比でみられたものとほぼ同様だった。

3月の結果をみると、原油価格の上昇の影響が顕在化し、直接的な影響を受けるガソリンや航空運賃などの大幅な上昇がみられたものの、その影響は、現在のところ、インフレ基調全体にまでは及んでいない。しかし、今後は、輸送コストの上昇が逐次、財・サービスの価格に反映されていくとみられる。また、食料品に関しては、肥料価格の上昇も加わり、影響がより長期にわたり続く可能性がある。こうした見通しもあり、消費者のインフレ期待は一部の指標では足元で上昇する動きがみられている。米国は原油・天然ガスの生産国ではあるものの、世界的なコモディティ価格の上昇に無縁でいられるわけではなく、インフレが今後しばらくの間、米国経済にとって大きな懸念事項となるだろう。

(加藤翔一)

(米国、中東)

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