2025年のGDP成長率は5.0%、今後は中東情勢による景気減退に懸念も

(スリランカ、中東)

コロンボ発

2026年04月02日

スリランカ・センサス統計局(DCS)は3月17日、2025年の実質GDP成長率を前年比5.0%と発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。2024年に続き、2年連続のプラス成長となった(2025年4月24日記事参照)。スリランカ中央銀行によれば、1人当たり名目GDPは前年比10.1%増の5,003ドル相当と推定され、初めて5,000ドルを上回った(注1)。

加えてDCSは、2025年第4四半期(10~12月)の実質GDP成長率を前年同期比4.8%と発表した。2025年11月末のサイクロン「ディトワ(Ditwah)」の被害による経済への影響が懸念されていたが(2026年1月5日記事参照)、成長率は2024年第4四半期(5.5%)や2025年第3四半期(5.3%)から0.5~0.7ポイントの低下と、小幅な減少にとどまった。

2025年の産業別成長率では、農林水産業が1.4%、鉱工業が7.8%、サービス産業が3.3%だった。農林水産業では植物の繁殖が28.1%、鉱工業では鉱業・採石業が16.9%増、建設が9.2%だったほか、コークスおよび石油精製製品の製造が16.9%だった。サービス産業では、保険、再保険、年金積立金が14.6%と高い成長をみせた(添付資料表参照)。

DCSは、2025年2月の自動車輸入再開により好景気への期待が広がり、金融サービス業の成長につながったほか、適度なインフレ率や為替レートの安定、金利の低下により堅調な経済成長に寄与したと分析している。

ただし、昨今の中東情勢により、今後のスリランカ経済の見通しは不透明だ。燃料の供給不足(2026年3月19日記事参照)や物価の高騰、外国人観光客の減少、中東への出稼ぎ労働者からの郷里送金の減少などが懸念される。

セイロン石油公社は、3月22日にオクタン価92のガソリンを317ルピー(約162円、1スリランカ・ルピー=約0.51円、以下ルピー)から398ルピーに、オクタン価95のガソリンを365ルピーから455ルピーに引き上げた。2026年2月のコロンボの消費者物価指数(CCPI)上昇率(インフレ率、注2)は前年同月比1.6%だったが、今後上昇する可能性がある。

また、スリランカ観光開発庁によると、2026年3月の月間観光客数(3月22日時点)は前年同月比17.4%減の13万6,089人となった。同庁によると、2026年2月の観光客のうち約40%がスリランカ訪問時に中東の空港を最終出発地としていたことから、中東情勢の影響が懸念される。

加えて、スリランカ外務・観光・海外雇用省によると、スリランカ国民の中東在住者数は全人口の4.6%に相当する約100万人に及び、同地域への出稼ぎ労働者からの郷里送金は重要な外貨獲得源になっていることも、今後の懸念材料と考えられる。

(注1)2025年は暫定値。今後の人口統計により、更新される可能性がある。

(注2)コロンボベースのCCPIは、基準年2021年=100としている。

(大井裕貴)

(スリランカ、中東)

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