スリランカの第3四半期GDP成長率は前年同期比5.4%、サイクロン被害による経済への打撃の懸念も
(スリランカ)
コロンボ発
2026年01月05日
スリランカ・センサス統計局(DCS)は2025年12月15日、2025年第3四半期(7~9月)の実質GDP成長率を前年同期比5.4%と発表
した。2023年第3四半期以降、プラス成長が続いている。
2025年第3四半期の産業別成長率(前年同期比)では、農林水産業が3.6%、鉱工業が8.1%、サービス産業が3.5%それぞれ増加した(添付資料表参照)。農林水産業では、植物の栽培が46.6%増、ココナツなど油性果実の栽培が27.1%増となった一方で、淡水漁業・淡水養殖業が45.0%減少した。
鉱工業では、鉱業・採石業が17.5%増、建設業が12.2%増だったほか、コークスおよび石油精製製品の製造が83.1%増、基礎金属・加工金属製品の製造が22.2%増加した。
サービス産業では、保険・再保険・年金積立金が18.0%増、金融サービス活動が13.2%増、郵便・宅配便事業が10.3%増と高い成長をみせた。
DCSは、国内での信用取引や輸出入の拡大、観光客の増加や生産設備の供給拡大が経済の成長に寄与したと分析している。
世界銀行はサイクロンの被害額をGDPの約4%と推定
一方、スリランカでは2025年11月末のサイクロン「ディトワ(Ditwah)」の上陸により甚大な被害が発生しており(2025年12月1日記事、2025年12月8日記事参照)、経済への影響が懸念されている。
世界銀行は12月22日、11月末にスリランカを直撃したサイクロン「ディトワ(Ditwah)」に関する自然災害迅速被害推定(GRADE)報告書
(注)を公表し、建物や家財、農業や重要インフラに対する被害推定額が、スリランカのGDPの4.1%に相当する40億9,600万ドルに達すると発表した。被害推定額の内訳は、道路や橋、鉄道や給水網などの破壊によるインフラ被害が17億3,500万ドル、家屋や家財などへの住宅被害が9億8,500万ドル、コメや野菜、畜産や漁業などの農業被害が8億1,400万ドル、学校や病院、工場などの非住宅への被害が5億6,200万ドルに及ぶとしている。また、地域別では、スリランカ全土の25県全てで洪水や豪雨による被害が発生し、特に中部のキャンディ県では、洪水や地滑りによる被害が深刻となり、被害額は6億8,900万ドルに達すると推定している。
(注)自然災害迅速被害推定(Global Rapid Post-Disaster Damage Estimation:GRADE)とは、各種災害リスクモデリング手法や過去の被害データなどを活用した、タイムリーかつ信頼性の高い被害推定手法のこと。世界銀行および防災グローバル・ファシリティ(GFDRR)内の災害リスク分析チームが開発し、日本政府からの資金的支援のもとで実施されている。
(大井裕貴)
(スリランカ)
ビジネス短信 c3859096598f0882




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