次期5カ年規画綱要、20項目の主要指標を発表
(中国)
北京発
2026年03月11日
中国の第14期全国人民代表大会(全人代)第4回会議にて、李強首相が3月5日に発表した政府活動報告では、次の5年間(2026~2030年)の計画となる、第15次5カ年規画の綱要(草案)についても言及がなされた(2026年の経済目標については2026年3月6日記事参照)。なお、第15次5カ年規画については、中国共産党第20期中央委員会第4回全体会議(4中全会、2025年10月27日、10月31日記事参照)で「国民経済と社会発展の第15次5カ年規画の制定に関する共産党中央委員会による建議」が採択されたが、今回はその建議を基に綱要を立案したかたちとなる。
綱要では、20項目の主要指標、戦略的任務における4つの重要領域(注1)、6分野109件のプロジェクトを掲げた(添付資料表1、2参照)。
経済発展に向けた指標については、GDP成長率を合理的な範囲に保ち年度ごとの状況に応じた目標設定を行うとし、2030年までの具体的なGDP成長率の数値目標の設定は行わなかったものの(注2)、2035年までに1人当たりGDPを2020年比で2倍とするとした目標を示した(注3)。また、全要素生産性の向上や、全国統一大市場の建設深化などが言及された。
イノベーションでは、社会全体の研究開発(R&D)経費投入増加率の目標を年平均7%以上とした。これは、第14次5カ年規画の目標(2021年3月9日記事参照)と同水準であり、堅調に伸びるR&D投資が減少しないようにするためとしている。
国民生活や福祉においては、雇用、所得、教育、医療、健康、高齢者・子どもにフォーカスした7つの指標を設定した。また、グリーン・低炭素では、単位GDP当たりの二酸化酸素排出量低下率を5年累計で17.0%とした。安全保障では、食糧とエネルギーの生産能力に対し目標を設定した。
綱要には第15次5カ年規画の推進にあたって順守すべき原則として次の6つの「堅持」を掲げた。
- 中国共産党の全面的な指導の堅持
- 人民主体の人民至上の堅持
- 質の高い発展の堅持
- 改革の全面的深化の堅持
- 有効な市場と有為な政府の結合の堅持
- 発展と安全の統一的運用の堅持
このうち、「有効な市場と有為な政府の統合」については、市場が資源配分において決定的な役割を果たし、政府の役割をより良く発揮させ、統一的・開放的・競争的・秩序ある市場体系を構築させるとしている。また、法治経済・信用経済を建設し、市場化・法治化・国際化の一流ビジネス環境を整備するために、「規制緩和で活力を生み出し、規制強化で秩序を維持する」とした経済秩序を形成するとしている。
(注1)戦略的任務における4つの重要領域として「質の高い発展を推進」「国内大循環を強化」「全人民の共同富裕を推進」「発展と安全を統一的に考慮」を挙げている。
(注2)第14次5カ年(2021~2025年)規画でもGDP成長率の数値目標を設定せず、「合理区間内に維持、毎年現状に基づき設定」とするにとどめた。なお、第12次5カ年規画では年平均7%、第13次5カ年規画では年平均6.5%以上と設定していた。
(注3)中国国家統計局が2021年1月18日に行った2020年の経済指標に関する記者会見では、1人当たりGDPが2年連続で1万ドルを超えたと発表している。なお、国家統計局公表の統計データでは、2020年の1人当たりGDPは7万3,338元(約161万円、1元=約22円)となっている。
(亀山達也)
(中国)
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