中東情勢悪化やホルムズ海峡の通航停止状態がアフリカ経済にも影響

(アフリカ、中東、世界)

調査部中東アフリカ課

2026年03月16日

イスラエルおよび米国は2月28日、イランに対する攻撃を開始し、これに対しイランは中東諸国の米軍基地や空港、民間施設などへ反撃を行っている。中東情勢の悪化に伴い、石油や天然ガスの物流の要衝であるホルムズ海峡の通航が停止状態(2026年3月4日記事参照)となり、世界のエネルギー供給に関して注目が集まっている。

このような中、アフリカ連合(AU)は3月9日、エネルギー施設や輸送施設を含む重要インフラに対する最近の攻撃を深く懸念するとのプレスリリースを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。AU委員会のマハムード・アリ・ユスフ委員長は、これらの攻撃が緊張をさらに高め、地域および世界の経済安定を脅かしていると述べ、重要なサプライチェーンを混乱させ、国際貿易およびエネルギー市場に広範な影響を及ぼすと指摘した。

アフリカ経済にも直接的な影響を及ぼすと強調した。原油価格の高騰と貿易ルートの混乱は、アフリカからの生鮮食品の輸出を含む市場に既に影響を与えており、空域の混乱はアフリカの航空会社と旅行ネットワークに影響を及ぼしているとした。また、アフリカに与える潜在的な影響について、イランや湾岸協力会議(GCC)諸国に居住するアフリカの人々の安全と福祉への影響についても言及した。

さらに、同委員長は、いかなる国際法違反も非難し、すべての当事者に対し、最大限の自制、および対話と外交を優先し、国連憲章の原則と目的に従って、事態の迅速な沈静化に向けて努力するよう呼びかけた。

なお、実際にエジプトでは燃料価格を引き上げると発表するなど影響が出ている(2026年3月16日記事参照)。また、国連貿易開発会議(UNCTAD)によると、アフリカにおいて、肥料をホルムズ海峡に依存している国もあるという(2026年3月12日記事参照)。このほか、国連人道問題調整事務所(OCHA)は、ホルムズ海峡の「封鎖」によるさまざまなコスト上昇や物流の遅延などが、アフリカを含む開発途上国における国際人道支援に甚大な影響を与える可能性があると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

現地情勢については、特集「イスラエル・米国とイランの衝突に関する中東情勢、各国の反応」、物流事情については、地域・分析レポート特集「中東・アフリカにおける物流とインフラプロジェクトの動向を探る」も参照。

(井澤壌士)

(アフリカ、中東、世界)

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