UNCTAD、ホルムズ海峡の混乱がエネルギーと肥料供給に影響と報告
(中東、アジア、スーダン、スリランカ、オーストラリア、タンザニア、パキスタン、タイ、ケニア、ニュージーランド、モザンビーク)
調査部中東アフリカ課
2026年03月12日
国連貿易開発会議(UNCTAD)は3月10日
、ホルムズ海峡での海上輸送の混乱が、エネルギーや肥料供給に大きな影響を及ぼしていると報告した。石油タンカーの運賃や紛争地域を航行するための追加保険料、船舶燃料費の高騰で輸送コストが上昇しているほか、世界の海上肥料貿易の約3分の1が同海峡に依存しており、肥料調達への影響が懸念されるという。
UNCTADが公表した報告書「ホルムズ海峡の混乱:世界の貿易と開発への影響」によると、2月28日のイスラエル・米国とイランの軍事衝突以前の1週間に、ホルムズ海峡を通過した割合は原油38%、液化石油ガス(LPG)29%、液化天然ガス(LNG)と石油化学製品がそれぞれ19%だった。3月11日時点で、ホルムズ海峡の航行が事実上停止しており(2026年3月4日記事参照)、3月7日の通航隻数は2月1~27日の平均から97%減少した。
同海峡は、アジア向けエネルギー供給の大部分を占める。2024年のアジア向け輸送では、原油の84%、LNGの83%がホルムズ海峡経由だった。UNCTADはさらに、2月27日から3月9日までの期間で、原油価格が27%増、LNG価格が74%増となるなど、エネルギー市場は今回の混乱に即座に反応したと報告した。
また、中東産油国からの肥料への依存度が高い国では、調達懸念が強まっているという。2024年に中東産油国を原産地とする海上肥料貿易の割合が高い国とその割合は次のとおり。
- スーダン:54%
- スリランカ:36%
- オーストラリア:32%
- タンザニア:31%
- パキスタン、タイ:27%
- ケニア、ニュージーランド:26%
- モザンビーク:22%
さらに、ガス価格の上昇に伴う肥料価格の高騰、原油輸送運賃や船舶燃料費の上昇、紛争地域を航行するための追加保険料の急増が重なり、海上輸送コストは大幅に上昇している。湾岸諸国など一部では国債利回りも上昇し、借り入れコストが増しているという。
現地情勢については、特集「イスラエル・米国とイランの衝突に関する中東情勢、各国の反応」、物流事情については、特集「中東・アフリカにおける物流とインフラプロジェクトの動向を探る」も参照。
(加藤皓人)
(中東、アジア、スーダン、スリランカ、オーストラリア、タンザニア、パキスタン、タイ、ケニア、ニュージーランド、モザンビーク)
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