米USTR、エクアドルとの相互貿易協定に署名、IEEPA関税無効判決後初めて
(米国、エクアドル)
ニューヨーク発
2026年03月17日
米通商代表部(USTR)は3月13日、エクアドルと相互貿易協定(ART)に署名したと発表
した。米国は2025年11月に、エクアドルとARTに関する枠組みで合意したと発表していた(2025年11月18日記事参照)。なお、連邦最高裁判所が2月20日に相互関税など国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく関税を無効と判断して以降(2026年2月24日記事参照)、初めてのART締結となる。
両国の関税措置に関して、エクアドルは、付属書(Annex)1のスケジュール1の規定に従い、大豆、果実、アルコール飲料、乳製品、牛肉、豚肉、鶏肉などに対する関税を撤廃する。一方で米国は、付属書1のスケジュール2に掲載している品目に対して、最恵国待遇(MFN)税率を適用する。ただし、アンチダンピング(AD)関税・補助金相殺関税(CVD)、セーフガード、1962年通商拡大法232条、1974年通商法301条に基づく関税などの措置は適用される。また、米国が今後の関税措置でエクアドル原産品に対して特恵関税待遇を与えることも記載された。
米国は、IEEPAに基づく相互関税の適用を終了した後、1974年通商法122条に基づき10%の輸入課徴金を課しているが(2026年2月24日記事参照)、協定文には同条の取り扱いに関する記載はない。米国とエクアドルとのARTは、両締約国が国内手続きの完了を相互に通知した日から30日後に発効予定と定められているが、ARTに基づく米国の関税率の適用は、付属書1のスケジュール2の規定により、早くとも8月1日からとなっている。一方、122条に基づく輸入課徴金は7月24日に終了予定であることから、同条に関する記載が協定文にはないと推測される(注)。
これまで米国が締結してきたARTは、相互関税を前提としていた。だが、最高裁の判決を踏まえ、米国は現在、相互関税を課していない。トランプ政権は相互関税と同水準の関税率を維持するため、122条に基づく課徴金を課している間に、301条などを用いて他の関税措置を実施する準備を進める意向を示している(2026年3月12日記事参照)。これらの新たな関税措置を踏まえ、米国が今後、どのような通商協定を貿易相手国と結んでいくのかが注目される。
(注)従って、エクアドルからの輸入に対しても、現在、122条に基づく10%の課徴金は課されているとみられる。
(赤平大寿)
(米国、エクアドル)
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