1月の米小売売上高は前月比0.2%減、記録的寒波などが重荷に

(米国)

ニューヨーク発

2026年03月10日

米国商務省の速報PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(3月6日付)によると、2026年1月の小売売上高(季節調整値)は前月比0.2%減の7,335億ドル(添付資料表参照)となり、ブルームバーグの市場予想(0.3%減)をやや上回った。12月の値は同横ばい(速報値、2026年2月12日記事参照)から改定されず、年末商戦において緒戦のブラックフライデー付近に支出が集中したことが示唆された。なお、同統計は、政府閉鎖の影響(2025年11月14日記事参照)で当初予定されていた2月17日から発表が遅延していた。(添付資料表参照)

ガソリンスタンド、自動車・同部品などが押し下げ要因に

業種別にみると、13業種のうち7業種で減少した。特にガソリンスタンドは、ガソリン価格の低下(1月:前月比3.2%減、2026年2月24日記事参照)を受けて前月比2.9%減の512億ドル(マイナス0.21ポイント)となり、最大の押し下げ要因だった。また、自動車・同部品は前月の0.2%減から0.9%減(マイナス0.16ポイント)へと悪化した。価格低下や冬の悪天候による客足の鈍化なども影響した可能性がある。衣料(1.7%減)や家電(0.6%減)も同様に振るわず、減収となった。また、小売り統計で唯一のサービス項目のフードサービスは前月の横ばいから0.2%減少した。

一方、無店舗小売りは前月比1.9%増となり、米国を襲った記録的な寒波の影響で、実店舗への外出が困難になり、消費者がオンラインに移行した可能性が高い。

1月下旬に米国中部・東部を襲った寒波は、パンデミック以降で最多の飛行機の欠航を招き、100万件以上の停電を引き起こすなど、深刻な影響を及ぼした。ブルームバーグのエコノミスト、エライザ・ウィンガ―氏は、これを1月の小売りの落ち込みの主因とみて「この消費の勢いの低下は一時的な足踏みで、今後数カ月のうちに解消される見通しだ」との見方を示す。しかし、賃金上昇率や貯蓄率は低下しており、フローでみた際の家計環境は必ずしも強いわけではない。また、最近はガソリン価格の上昇などもみられ、これが裁量的支出をさらに圧迫することも考えられる。ウェルズ・ファーゴのエコノミスト、ティム・クインラン氏は、3月の消費は個人向け減税に伴う税還付の増加(注)が支えとなる一方、中東情勢によりガソリン価格の高騰が、消費意欲を抑える懸念があると指摘する。

(注)2026年はトランプ政権下で成立した「大きく美しい1つの法案法(OBBBA)」の影響で税還付額が例年より高くなると予想されており、これが消費を押し上げる要因になる可能性がある。

(樫葉さくら)

(米国)

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