2025年12月の米小売売上高は前月比横ばいで予想に届かず、年末商戦の前倒し需要を反映

(米国)

ニューヨーク発

2026年02月12日

米国商務省の速報PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)210日付)によると、202512月の小売売上高(季節調整値)は前月比横ばいの7,350億ドル(添付資料表参照)となり、ブルームバーグの市場予想(0.4%増)を大幅に下回った。10月は同横ばいから0.2%減に下方修正される一方、11月は同0.6%増(速報値、2026年1月20日記事参照)から改定されず、年末商戦において緒戦のブラックフライデー(注1)付近に支出が集中したことが示唆されている。本統計はインフレの影響が加味されていないが、インフレ調整した場合には、12月の伸びはマイナスとなった可能性が高い。なお、同統計は、政府閉鎖の影響(2025年11月14日記事参照)で当初予定されていた2026115日から発表が遅延していた。

自動車・同部品、家具などが押し下げ要因に

業種別にみると、13業種のうち8業種で減少した。特に自動車・同部品は、前月比0.2%減の1,388億ドル(寄与度:マイナス0.03ポイント)で、最大の押し下げ要因だった。また、家具(0.9%減)や家電(0.4%減)などの耐久財への支出が落ち込んだほか、衣料(0.7%減)も減少した。また、2025年はサイバーマンデー(注2)が12月に後ろ倒しになっていたにもかかわらず、無店舗小売りの伸びは0.1%増にとどまった。小売り統計で唯一のサービス項目のフードサービスは前月に大幅な伸びを見せた反動もあり、12月は0.1%減とわずかに減少した。一方、建材・園芸用品(1.2%増)や、スポーツ・娯楽品・書籍(0.4%増)は増加に寄与した。

米金融機関ウェルズ・ファーゴのエコノミストらは、「12月(という月)は、かつてほど特別なものではなくなっている」との見解を示した。関税への懸念から、消費者が早めの購入に動いた可能性が高く、オンラインショッピングの普及による利便性が、商戦の時期を年間通じてより分散させるという長期的なトレンドを後押ししたと分析している。

なお、全米小売業協会(NRF)は2025年の年末商戦期間(1112月)全体を通してみた場合には、前年同期比4.1%増と底堅く推移したと評価している。富裕層を中心とした堅調な支出が、個人消費を下支えするという基本的な構造は中期的には維持されると予想する者が多い。ブルームバーグのエコノミスト、イライザ・ウィンガー氏は、「2026年に入っても、税還付の拡大や資産価格上昇が追い風となり、消費の底堅さは維持される」と述べている。それでも、労働市場の減速などは貯蓄や消費者マインドなどを下押ししており、短期的には一部で消費の減速が見られる可能性もある。

(注111月第4金曜日。

(注2)感謝祭(サンクスギビング)の翌月曜日で、2025年は121日。

(樫葉さくら)

(米国)

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