イタリアとアルジェリア、シェールガスや洋上探査で連携強化

(アルジェリア、イタリア、カタール、イラン、中東、ベトナム)

パリ発

2026年03月27日

中東情勢の悪化により、石油・天然ガス物流の要衝であるホルムズ海峡が事実上の通航停止に陥り(2026年3月4日記事参照)、世界的にガスや石油原料の調達が困難となる中、イタリアのジョルジャ・メローニ首相は3月25日、アルジェリアを訪問し、同国のアブデルマジド・テブン大統領と会談した。会談後の共同記者会見で、メローニ首相は両国がエネルギー協力の強化で合意したと発表した。同首相は、「イタリアのエネルギー大手エニ(ENI)とアルジェリア国営炭化水素公社ソナトラックの連携の下、シェールガスや洋上探査といった新たな分野でも協力を強化することで一致した。これにより、長期的にはアルジェリアからイタリアへのガス供給量を一段と拡大できる」と述べた(3月25日付イタリア首相官邸コミュニケ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

これまではカタールが、液化天然ガス(LNG)のかたちでイタリアが年間に消費する天然ガスの約1割を供給してきた。しかし、イランによる攻撃で設備が損傷し、カタールの輸出能力の低下が長期化する見通しとなる中(2026年3月24日記事参照)、イタリアは、国内ガス需要の約3割を主に海底パイプライン「トランスメッド」を通じて提供するアルジェリアからのさらなる輸入拡大を図っている。

一方、両国間のガスパイプラインはすでに最大能力で稼働しているとされており、イタリアへの追加供給はLNG出荷に依存せざるを得ない。しかし、アルジェリアにはLNG出荷を一定程度増やす余地はあるが、生産量がカタールの半分程度にとどまることから、カタールの供給を代替できる規模には達しないとの見方が出ている。

イタリアやベトナムなどからの新規需要が相次ぐ中、ソナトラックはシェールガス開発を進めるため、米国石油メジャーとの交渉を継続している(2026年1月21日付地域・分析レポート参照)。今回のENIとの協力は、米国企業以外との協力となる点が特徴だ。また、本事業はソナトラックが従来のサハラ地域中心の政策から大きく転換する動きとなる。同社は国際パートナーとの協力を通じ、シェールガスや洋上事業といった複雑な資源の開発を加速し、世界的なガス市場再編の中で持続的な成長を図る姿勢を示している。

(ピエリック・グルニエ)

(アルジェリア、イタリア、カタール、イラン、中東、ベトナム)

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