トランプ米大統領、バングラデシュとの相互貿易に関する共同声明を発表、USTRは協定文に署名

(米国、バングラデシュ)

ニューヨーク発

2026年02月12日

米国のドナルド・トランプ大統領は2月9日、米国・バングラデシュの相互貿易協定に関する共同声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。米通商代表部(USTR)も同日、協定への署名外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますファクトシート外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。

共同声明の主な内容は次のとおり。

  • バングラデシュは、米国原産の化学製品、医療機器、機械、自動車・同部品、情報通信技術(ICT)機器、エネルギー製品、大豆製品、乳製品、牛肉、鶏肉などに対する市場アクセスを提供する。
  • 米国は、バングラデシュ原産品に対する相互関税率を19%に引き下げる。また、2025年9月5日に発表した相互関税の対象外となる品目を修正する大統領令の付属書3(注)で指定された製品の中から、相互関税率をゼロにする製品を選定する。
  • 米国は、バングラデシュの特定の繊維・アパレル製品に対して相互関税を課さない仕組みを確立する。ただし、相互関税を課さない数量は、米国からの繊維製品(米国産綿花および化学繊維原料など)の輸出量に関連して決定する。
  • バングラデシュは、米国の連邦自動車安全基準および排出ガス基準に適合した車両の受け入れ、といった非関税障壁への対処を検討する。
  • バングラデシュは、国境を越えたデータの自由な移転の許可、WTOにおける電子送信に対する関税を賦課しないこと(関税不賦課のモラトリアム)への恒久的な支持、などを約束する。
  • バングラデシュは、強制労働によって生産された製品の輸入禁止など、国際的に認められた労働権を保護する。また、高水準の環境保護を採用・維持し、環境法の効果的な施行などを約束する。
  • 米国とバングラデシュは、関税回避対策や輸出管理で協力するほか、相互の対内投資情報の共有などを通じて、経済・国家安全保障面での連携強化に取り組む。
  • バングラデシュは、米国産の航空機の調達、小麦、大豆、綿花、トウモロコシを含む米国産農産物約35億ドル相当の購入、今後15年間で150億ドル相当のエネルギー製品の購入を約束する。

トランプ氏が2025年4月に発表したバングラデシュに対する相互関税率は37%だったが、その後の交渉によって、同年8月から20%に引き下げられた(2025年8月4日記事参照)。従って、今回発表されたバングラデシュに対する新たな相互関税率は、8月時点から1ポイントの低下にとどまる。また、共同声明では、米国は今後、特定の繊維・アパレル製品に対して相互関税を課さない仕組みを確立することや、相互関税を課さない品目を拡大することが記載されているが、USTRが公開した協定文では、これらに関する記載はない。

USTRのジェミソン・グリア代表は声明で、「本日のバングラデシュとの相互貿易協定への署名は、南アジアの国としては初めてだ。これは、市場開放、貿易障壁への対処、そして米国の輸出業者にとって新たな機会の創出であり、意味ある前進だ」と述べている。米国は2026年2月6日に、インドとの貿易に関する暫定協定の枠組み合意を発表したが、いまだ協定の署名には至っていない(2026年2月10日記事参照)。

(注)同大統領令では、各国・地域との合意に基づいて相互関税を免除する可能性のある品目のリストが列挙されている(2025年9月8日記事参照)。別途、特定の農産品も相互関税の対象から除外されている(2025年11月17日記事参照)。

(赤平大寿)

(米国、バングラデシュ)

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