2025年のGDP成長率は6.5%、貨物輸送量増加が寄与

(カザフスタン)

タシケント発

2026年02月20日

カザフスタンのオルジャス・ベクテノフ首相は2月10日、カシムジョマルト・トカエフ大統領が議長を務める拡大政府会合で、2025年の実質GDP成長率が前年比6.5%と明らかにした。2024年の5.0%から成長が加速した。名目GDPは前年比201億ドル増加したと報告した。産業別の成長率は商業26%、輸送17.8%、鉱業17.4%、建設14.6%、製造業12.2%、農業5.9%となった。税制および財政改革(2025年7月25日記事参照)により、2028年までに財政赤字をGDP比0.9%へ段階的に縮小できる見通しだと述べた。

2026年1月12日の首相府発表によると、2025年の運輸・倉庫業は前年より20.4%伸びた。その背景には鉄道および道路輸送の貨物量増加がある。ロシアおよびスエズ運河を経由する輸送のリスク回避が世界的に進む中、欧州とアジアをつなぐ物流の要衝であるカザフスタンのトランジット輸送量は2025年に3,690万トンに達し、前年(3,460万トン)比で6.6%増となった(首相府発表2026年2月9日)。

カザフスタンの物流では、カスピ海横断国際輸送路(TITR)が脚光を浴びている。中国からカザフスタンを経由し欧州へ至るTITRにおける貨物輸送量は、2024年には450万トンに達し、過去5年間で6倍に増加した(「アスタナ・タイムズ」2025年9月5日)。TITRは食品・金属・石油化学製品といったカザフスタン製品の輸出および同国への外国製品の輸入にも利用されている(「カズインフォルム」2025年6月12日)。

カザフスタンは、TITRを産業成長とグローバルサプライチェーンへの持続的な参画のための基盤として位置付けている。TITRの輸送量を2027年までに年間1,000万トンに拡大するロードマップのもと、カザフスタンはじめTITR上の各国はインフラ整備、ターミナル機能の強化、港湾や車両の拡張、行政手続きの簡素化、物流業者向け環境整備を進めている(2025年6月13日記事参照)。諸外国もTITR開発に関心を示しており、日本やEU(2025年4月16日記事参照)などが協力を表明している。

カザフスタンを南北に縦断するルート開発も進む。カザフスタン運輸省のディンムハメド・セムバエフ運輸政策部長は、ロシアとイラン、ペルシャ湾、インドを結ぶ南北国際輸送路(INSTC)も同国の主要なトランジット政策として台頭していると指摘。カザフスタンを経由するINSTC東ルートの年間物流処理能力1,000万トンの内訳は、陸路のボラシャク駅経由が600万トン、カスピ海経由が400万トン。同国西部の国境駅では近代化工事が進行しており、2027年までに完了の予定。完了後の年間処理能力は2,000万トンへ拡大する見通しだ(「アスタナ・タイムズ」2025年6月13日)。

(竹内アイシェギュル)

(カザフスタン)

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