初のEU・中央アジア首脳会議、EUは重要鉱物や輸送分野の投資発表
(ウズベキスタン、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン、EU)
タシケント発
2025年04月16日
EUと中央アジアの首脳による初の首脳会談が4月4日、ウズベキスタンのサマルカンドで開催された。会議には欧州理事会(EU首脳会議)のアントニオ・コスタ常任議長や、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長、ウズベキスタンのシャフカト・ミルジヨエフ大統領、カザフスタンのカシムジョマルト・トカエフ大統領、キルギスのサディル・ジャパロフ大統領、タジキスタンのエモマリ・ラフモン大統領、トルクメニスタンのセルダル・ベルディムハメドフ大統領が出席した。
「未来への投資」をスローガンとしたこの会談では、両地域の協力関係強化が確認された。主なものは、a.EUと中央アジアの関係の戦略的パートナーシップへの格上げ、b.重要鉱物分野のEUと中央アジアの協力に関する宣言、c.重要原材料(CRM)・バッテリー・グリーン水素に関するEU・カザフスタン覚書の下での2025年から2026年までのロードマップ。
EU側は、120億ユーロに上る投資プログラムを発表し、中央アジアのCRM開発に25億ユーロ、輸送分野に30億ユーロ、気候・エネルギー・水資源分野に64億ユーロの投資、デジタル接続に1億ユーロを投じる計画だ。
輸送分野については、具体的な投資プロジェクトは明らかになっていないものの、EU側はカスピ海横断国際輸送路(TITR)を通じた輸送を簡素化し、欧州と中央アジア間の物流にかかる所要時間を15日にまで半減させる意向だ。ロシアを通らないアジアから欧州に至る輸送ルートを確立する。フォン・デア・ライエン委員長はサミットの全体会合の中で、この投資について、欧州と中央アジアの接続や貿易を強化するものだと述べ、両地域の「未開発のビジネスの可能性を解き放つ」と期待を寄せた。
フォン・デア・ライエン委員長は2025年末までにウズベキスタンで投資家フォーラムを開催する意向を表明した。TITR開発のため民間融資を誘致する狙いだ。
(ウラジミル・スタノフォフ)
(ウズベキスタン、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン、EU)
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