ジョージアのポチ港で新コンテナターミナルが稼働、輸送需要増に対応

(カザフスタン、ジョージア)

調査部欧州課

2025年06月13日

カザフスタンの物流大手PTCホールディングは6月9日、ジョージアのポチ港で建設を進めていたコンテナターミナルの開設を発表した。黒海に面するポチ港は、カスピ海横断国際輸送路(TITR)上の拠点の1つに位置付けられている。ターミナルの開設は、TITRを通じた輸送需要の増加、中央アジア・コーカサス諸国による戦略的な輸送ルート開発に対応した動きと位置付けられる。

ターミナルの管理・運営は、PTCホールディングとジョージア企業との合弁会社ポチ・トランスターミナルが担う。2023年8月に建設が始まり、2025年5月までに建設が完了、ターミナル運用に関する許可をジョージア当局から取得した。建設は全て民間投資で行われ、投資額は3,150万ドル。

9ヘクタールの敷地内に2基のガントリークレーンを有し、1時間当たり50本のコンテナ処理が可能。ターミナルの処理能力は当初は年間8万TEU(20フィートコンテナ換算)で、今後、設備や人員を増強し、20万TEUに拡大させる可能性も視野に入れているという。

開設初日の6月9日には、最初のコンテナ列車がターミナルに到着した。同日、ターミナル内で開設式典が行われ、カザフスタン、ジョージアなどの官民関係者が参加した。式典には、カザフスタンのカシムジョマルト・トカエフ大統領がメッセージを寄せた。「カスピ海横断ルートの開発や、ポチのターミナルを含む新しいインフラの建設はわが国にとって戦略的に重要」と本プロジェクトを評価するとともに、カザフスタンのトランジット輸送能力や輸送ルートの多様化を進め、同国が東西を結ぶ信頼できる物流の拠点となる意向を表明した。

インターファクス通信(2025年3月14日)によると、2024年のTITRを通じた輸送量は450万トンで、前年比62%増加した。関係諸国の政府や物流関係企業が協力して、ルート上のボトルネックを解消し、2027年までに1,000万トンに引き上げる計画だ。

(浅元薫哉)

(カザフスタン、ジョージア)

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