複雑化する米国関税措置、輸入申告の誤りに注意
(米国)
海外ビジネスサポートセンター貿易投資相談課
2026年01月13日
2025年12月以降、ジェトロには、米国向け商品に関して日本企業からHTSコード(関税率)の誤申告に関する相談が複数寄せられている。例えば、ある品目に対し、(1)国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく相互関税15%、(2)1962年通商拡大法232条に基づく自動車部品関税15%、(3)同232条に基づく中・大型トラック部品関税25%の3種類が適用され、合計55%の関税が課されたケースがあった。しかし、特定の品目に複数の追加関税が累積することは停止措置が設けられており(2025年4月30日記事参照)、同ケースの場合、正しくは15%もしくは25%となるはずだった。
少額貨物に適用されていた非課税基準額(デミニミス)ルール(注1)の廃止後、米国Eコマース大手のイーベイ(eBay)など一部のEC(電子商取引)プラットフォームは、配送要件としてDDP(Delivered Duty Paid:関税込み持ち込み渡し)(注2)を必須にしたほか(2025年10月9日記事参照)、物流事業者もDDPを必須にしているケースがある。これにより、関税支払いがセラー(出品者)負担となり、日本企業は想定よりも高額な引き落としを不審に思い、輸入申告書(Entry Summary、CBP Form 7501)
を確認した結果、適用される関税率の誤りに気付くようだ。
米国の関税措置は複雑化しており、米国側の通関事業者などの業務も増加しているとみられ、このような申告ミスは今後も続く可能性がある。日本企業においては、自社取り扱い品目のHTSコードや関税率を自らも確認し、事業者任せにしないことが重要だ。例えば、輸入時に使用したインボイスや輸入申告書を通関事業者から入手し、正しく申告されているか確認するなどが必要だ。
(注1)米国では、輸入申告額が800ドル以下の少額貨物に対して関税支払いなどを免除する非課税基準額(デミニミス)ルールが設けられていたが、2025年8月29日以降、同ルールが適用停止となった。国際郵便ネットワークを通じて送付される貨物を除き、電子申請システム(ACE)を利用した輸入申告書類の提出や関税支払いなどが必要になっている(2025年8月1日記事参照)。
(注2)関税・税金がセラー負担となる配送方式。
(川原文香)
(米国)
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