米台通商合意成立、台湾は半導体産業の対米投資、米国は相互関税を15%に引き下げへ
(米国、台湾)
ニューヨーク発
2026年01月19日
米国商務省は1月15日、米国在台湾協会(AIT)と駐米国台北経済文化代表処(TECRO)の間で通商合意が成立したと発表
した(2026年1月19日記事参照)。合意に基づき、台湾は米国の半導体産業に2,500億ドルの直接投資や2,500億ドルの融資保証を提供する。米国は台湾に対する相互関税率を20%から15%に引き下げる。ただし、現時点で相互関税の引き下げの時期は明らかでない。
合意の主な内容は次のとおり。
(1)台湾の対米投資の拡大:台湾の半導体・技術企業は、米国における先端半導体、エネルギー、人工知能(AI)の生産能力構築およびイノベーション促進に向け、少なくとも2,500億ドルの新規直接投資を実行する。また、台湾は、台湾企業による追加投資促進に向け、少なくとも2,500億ドルの信用保証を提供する。さらに、米国と台湾は、次世代技術、先端製造、イノベーションの拠点となるインダストリアルパークを米国に設立する。
(2)米国の対台湾投資の拡大:台湾は、米国による台湾の半導体、AI、防衛技術、通信、バイオテクノロジー産業への投資を支援する。
(3)米国の対台湾関税の引き下げ:
- 米国による台湾産品に対する相互関税率(これまで20%)は合計15%を超えない(注1)。また、台湾のジェネリック医薬品・同原料、航空機部品、米国が入手困難な天然資源に対する相互関税は免除する。
- 1962年通商拡大法232条に基づく米国による台湾の自動車部品(これまで25%)、木材・製材(これまで10%)・派生品(これまで25%)に対する追加関税率は合計15%を超えない(注2)。
- 台湾の半導体に対する、米国の将来的な232条関税(注3)について、米国に投資する台湾の半導体メーカー向けに優遇措置を適用する。具体的には、(1)米国で半導体生産施設を新規に構築する台湾企業は、承認された建設期間中、予定生産能力の最大2.5倍まで232条関税を支払わずに輸入が可能とする。割当超過分の輸入には、低率の232条関税を適用する。(2)米国で新規の半導体生産施設建設プロジェクトを完了した台湾企業は、新規の半導体生産能力の1.5倍まで232条関税を支払わずに輸入が可能とする。
(注1)現時点で、一般関税率(MFN税率)と相互関税の累積の有無は明らかではない。ただし、「合計で15%を超えない」との説明を踏まえれば、日本に対する相互関税と同様に、(1)MFN税率が15%未満の場合にはMFN税率と相互関税率を足し合わせて合計15%、(2)MFN税率が15%以上の場合には、MFN税率のみが適用され、相互関税は適用されない、と推定される。
(注2)相互関税と同様に、現時点で、MFN税率と232条関税率との累積の有無は明らかではない。
(注3)米国は2026年1月15日から特定の半導体に25%の232条関税を課している(2026年1月15日記事参照)。さらに、米国のドナルド・トランプ大統領は232条半導体関税の賦課を指示する大統領布告で、今後90日間各国と交渉を継続し、交渉終了後に232条関税の対象を拡大する可能性とともに、米国の半導体供給網構築に投資する企業に232条関税の相殺制度を設ける可能性を示唆している。今回の合意の「将来的な232条関税」とは、この交渉終了後に適用を示唆する232条関税を指すとみられる。
(葛西泰介)
(米国、台湾)
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