米連邦地裁、トランプ政権によるEV充電設備への資金停止は違法と判断
(米国)
ニューヨーク発
2026年01月28日
ワシントン西地区連邦地裁は1月26日、米ワシントン州など19州(注1)とコロンビア特別区が、米運輸省(DOT)および連邦高速道路局(FHWA)による、電気自動車(EV)用充電インフラ計画「NEVIフォーミュラ・プログラム」への資金凍結措置は違法だとして起こした訴訟
について、原告側の主張を一部認める判決を下した
(2025年5月9日記事参照)。
NEVIフォーミュラ・プログラムは、2021年11月に成立したインフラ投資・雇用法(IIJA)に基づき、州が策定したEV充電網の整備計画を連邦政府が承認し、総額50億ドルの補助金を配分する制度。トランプ政権は2025年2月に資金配分の停止措置などを公表し、これを受け、同年5月に全米16州とワシントンDCの司法長官らが、行政手続法(APA、注2)および合衆国憲法に対する違憲性を巡り、DOTとFHWAを提訴していた。
今回の判決で同裁判所は、「政府の措置は法的権限を逸脱し、恣意(しい)的かつ不合理であり、法令に適合せず、法令で定められた手続きを順守していない」として、APAに違反すると判断した。合衆国憲法に対する違憲性に対する訴えは却下されている。
判決を受け、EV普及を促進する非営利団体のプラグイン・アメリカのジョエル・レビン・エグゼクティブディレクターは「NEVIプログラムは全米でEV移行を進める上で不可欠だ。今回の最終判断によって一定の確実性がもたらされ、各州が前進し、高速道路沿いの充電設備を整備・稼働させることが可能になる」と歓迎した。
NEVIプログラムを巡っては、2025年6月に同裁判所が一部の州を対象に、資金凍結の仮差し止め命令
を出し、連邦政府による停止措置の効力を一時的に制限していた(2025年6月26日記事参照)。その後DOTは同年8月、プログラム再開に向けたガイダンスを公表したものの、資金停止措置そのものの違法性については訴訟が続いていた(2025年8月13日記事参照)。今後DOTが控訴に踏み切るかどうかを含め、同プログラムの行方が注目される。
(注1)5月の訴訟時は16州(アリゾナ州、カリフォルニア州、コロラド州、デラウェア州、ハワイ州、イリノイ州、メリーランド州、ミネソタ州、ニュージャージー州、ニューメキシコ州、ニューヨーク州、オレゴン州、ロードアイランド州、バーモント州、ワシントン州、ウィスコンシン州)およびコロンビア特別区だったが、ウィスコンシン州が離脱し、ケンタッキー州、ミシガン州、ノースカロライナ州、ペンシルベニア州が加わった。
(注2)連邦政府機関が規則を作成・適用し、行政処分を行う際の手続きを定めた連邦法。米国法典第5編第1部第5章第2節に示される。
(大原典子)
(米国)
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