日産、サンダーランドで新型リーフの生産を開始

(英国、中国、日本)

ロンドン発

2025年12月24日

日産自動車の英国法人は12月16日、4億5,000万ポンド(約936億円、1ポンド=約208円)の投資を行い、イングランド北東部のサンダーランド工場で電気自動車(EV)の3代目「リーフ」の生産を開始したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

日産は2013年からサンダーランドでリーフの生産を始め、これまでの累計生産台数は28万2,704台に達した。今回の先端モデルの投入に向け、サンダーランド工場の生産ラインを刷新。ビッグデータやバーチャルリアリティなどの工場技術を採用したほか、プレス金型や最新ロボット、自動化レーザー溶接装置などの新たな設備を導入して工場を変革した。新型リーフの生産開始は、同社が脱炭素の取り組みとして注力するEV生産のエコシステムを構築するハブ「EV36Zero」プロジェクトの一環である。日産は2026年、サンダーランド工場でリーフに続き、新型EV「ジューク」の生産開始を予定している。

リーフ向けバッテリーは、中国の再生可能エネルギー開発大手エンビジョングループ傘下のバッテリー企業AESC(本社:神奈川県横浜市)が日産サンダーランド工場に隣接する新設のギガファクトリー(2025年5月19日記事参照)で生産し、供給する。

同日、生産記念式典に出席した英国のクリス・マクドナルド産業相は、今回の生産開始について、イングランド北東部地域と自動車産業の双方にとって大きな後押しとなるとして歓迎した。英国政府は、産業戦略(2025年6月25日記事参照、注)の一環として国内のEV製造能力の強化に向けた支援策を講じてきた。

英国政府はまた、今回の新型リーフの生産開始発表に合わせ、イングランド北東部およびウェストミッドランズ地域と連携した地域別EVサプライチェーンパイロット事業の開始を公表した。これらの事業は「DRIVE35」プログラム(2025年7月17日記事参照)の下で実施され、EV国内生産の拡大を目指す。

(注)産業戦略ではDRIVE35プログラムを通じて自動車産業への25億ポンド規模の投資が発表されていたが、2025年11月発表の秋季予算案(2025年12月2日記事参照)で15億ポンドの追加投資が盛り込まれた。

(バリオ純枝)

(英国、中国、日本)

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