ワイヤーハーネス大手レオニ、エジプト第4工場稼働と第5工場起工、生産能力2倍へ
(エジプト、ドイツ、中国)
カイロ発
2025年12月16日
ドイツ系自動車用ワイヤーハーネス大手のレオニ(LEONI)は12月10日、エジプト第4工場稼働と第5工場起工を記念する式典を実施した(同社プレスリリース
)。
第4工場、第5工場ともカイロの東、工業都市テンス・オブ・ラマダン市の南に位置するバドル市にあり、私設フリーゾーンとなっている。2工場合わせた敷地面積は3万5,000平方メートルで、2027年中にフル操業を予定しており、実現すれば、エジプト国内の生産能力が2倍になる。式典には、エジプトのムスタファ・マドブーリー首相、カメル・ワジール副首相兼産業・運輸相、レオニグループのアニス・カンムーン最高執行責任者(COO)、在エジプト・ドイツ商工会議所(AHK)のマーレン・ディアーレ=シェルシュミット最高経営責任者(CEO)らが出席した。
プレスリリースによると、レオニは1997年にエジプトでの操業を開始して以来、エジプト国内10拠点で5,500人を雇用している。エジプトから主に欧州に輸出し、チュニジア、モロッコとともに中東・北アフリカ(MENA)のハブとして事業が成長している、とした。レオニは2024年10月、中国の電子機器受託製造サービス(EMS)大手のラックスシェア(立訊精密工業)が同社の株式の過半を取得すると発表し(2024年10月3日記事参照)、2025年7月に取引完了を発表した。
エジプトの自動車産業は、日産、奇瑞汽車(中国)、現代自動車(韓国)など完成車のコンプリートノックダウン生産(CKD)のほか、自動車の「神経系統」であるワイヤーハーネスを中心にサプライチェーンが形成されている。エジプトの電機大手エルスウィーディー・エレクトリック(ELSEWEDY ELECTRIC、2024年12月26日付地域・分析レポート参照)がワイヤーやケーブルをワイヤーハーネスメーカーに納入しているほか、報道によると、コフィカブ(Coficab)もエジプト工場を建設中だ。コフィカブは1992年にチュニジアで創業以来、ポルトガル、モロッコ、ルーマニア、メキシコ、セルビア、ホンジュラス、中国の天津へと生産拠点を拡大し、自動車用ケーブルを生産している。
日本企業では、住友電装が2025年6月に世界最大級のワイヤーハーネス工場を開所(2025年6月5日記事参照)したほか、矢崎総業も2024年1月に第1工場の起工式を実施した(2024年2月7日記事参照)。
(西澤成世)
(エジプト、ドイツ、中国)
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