住友電装、エジプトに世界最大級のワイヤーハーネス工場を開所

(エジプト、日本)

カイロ発

2025年06月05日

住友電装のグループ会社、スミトモエレクトリック・ワイヤリングシステム・エジプト(SE Wiring Systems Egypt S.A.E:SEWS-EG)は5月20日、エジプト・カイロ北東のテンス・オブ・ラマダン市に建設した新工場の開所式を開催した(2023年6月5日記事参照)。式には、エジプトのムスタファ・マドブーリー首相、カメル・ワジール副首相兼産業・運輸相、岩井文男駐エジプト日本大使らが参加した。

エジプトの国家情報サービス(SIS)によれば、自動車向けワイヤーハーネスの生産工場としては世界最大級となる。マドブーリー首相は、SEWS-EGが1万2,000人のエジプト人労働者を雇用し、年間約3億ユーロを輸出していることを強調するとともに、新工場に併設する研修施設が若者に雇用機会を提供していることに謝意を表した。

スミトモエレクトリック・ワイヤリングシステム・ヨーロッパ〔Sumitomo Electric Wiring Systems(Europe)〕の桂山茂孝COOは今回の投資を決めた理由について、「当社は現在、事業拡大の過渡期にあり、製造拠点の規模の拡大が必要になった。現有する拠点の拡張先を検討する上で、エジプト製造のコスト競争力の高さが決め手となって、エジプトへの追加投資に踏み切った」と述べた。また、「今後の展望として、直接的な製造のみならず、現在欧州で行っている製品の設計業務の一部を段階的に移行していくことで、優秀なエジプト人材の能力活用の機会を増やしていく。また、エジプト人の勤勉さを高く評価しており、当社として今後も事業拡大を進める中、高いコスト競争力を最大限に活用するため、エジプトでのさらなる生産拡大を画策していく」と語った。

ワイヤーハーネス(HSコード:8544.30)はエジプトの主要輸出品目の1つだ。輸出額は年々増加しており、2024年1~12月の輸出額は5億3,611万ドルに上る(添付資料図参照)。輸出先はトルコ、スロバキア、英国、フランス、ドイツ、チェコなどで、自動車関連産業が集積する国に自由貿易協定(FTA)を利用して輸出されている(2024年3月7日付地域・分析レポート参照)。

(塩川裕子)

(エジプト、日本)

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