矢崎総業、エジプト第1号工場の起工式開催、政府・地元自治体が歓迎

(エジプト、日本)

カイロ発

2024年02月07日

矢崎総業は1月30日、エジプト・ファイユーム(注)近郊に新設する自動車部品(ワイヤーハーネス)工場の起工式を実施した。

同社はこれまでエジプト企業と技術提携してワイヤーハーネスの生産を行ってきたが、今回初めて子会社のYazaki EDS Egypt(YEG)が自社工場をエジプト国内に建設する。同社は新工場での生産の第1フェーズは2024年7月から開始予定としている。生産した製品は全てエジプト国外に輸出し、輸出額は年1億ユーロに上る見通しだ。

YEGマネジングディレクターのアフマド・ビダウィー氏はエジプトでの事業拡大の理由として、(1)インフラと物流の発展、(2)政府の投資優遇措置、(3)EUを含む近隣諸国との自由貿易協定(FTA)を挙げた。同氏は工場が立地するファイユームについて、充実した行政の支援や豊富な労働力、工場付近の教育インフラの充実といった強みに言及した。式典ではファイユーム県の知事が登壇し、今回の投資は同県に新たな産業を創造する転機になるとともに、エジプトとファイユームの投資環境に対する外国投資家の信頼を裏付けるものだと述べた。

YEGは2022年12月、エジプト政府が集中的に許認可取得などの投資手続きを支援するゴールデンライセンス(2022年11月4日記事参照)の対象企業となった。エジプト投資・フリーゾーン庁(GAFI)のホッサム・ヘイバ長官は式典でのスピーチで、このプロジェクトは日本とエジプトの良好な経済関係をさらに強化するもので、ゴールデンライセンス取得企業の成功例でもあり、エジプト政府の投資優遇措置の実効性を証明するものだとして、YEGに対して謝意を表した。

写真 起工式の様子(ジェトロ撮影)

起工式の様子(ジェトロ撮影)

(注)カイロから南に120キロほどに位置する地方都市。YEGの新工場は同市近郊の投資フリーゾーン内に位置する。

(塩川裕子)

(エジプト、日本)

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