北京市、次期5カ年規画に向けた2026年の取り組みを発表

(中国)

北京発

2025年12月24日

中国共産党北京市第13期委員会第8回全体会議が12月22日に開催された。同会議は、中国共産党第20期中央委員会第4回全体会議(4中全会、2025年10月27日記事10月31日記事参照)に基づき、北京市の2025年の活動を総括し、次の5年間(2026~2030年)の計画となる「国民経済と社会発展に関する第15次5カ年規画」に向けた2026年の経済・社会の発展のための取り組みを発表した。

会議では、2026年は次期5カ年規画の初年度であり、社会主義現代化の基本的な実現という目標に向けて、北京市の経済および社会の発展のために必要な各任務を完遂するとした。また、北京市の首都機能を引き続き最適化し、首都の現代化建設を全面的に推進すると強調した。主な取り組みは次のとおり。

  1. 北京市の「4つの中心」としての機能を構築・強化し、「4つのサービス」の水準を向上させる(注)。
  2. 京津冀地域(北京市・天津市・河北省)における産業の協同発展を深化させ、新たな「2つの翼(北京市副都心である同市通州区と雄安新区)」の建設を統一的に推進し、北京市副都心に対する1,000億元(約2兆2,000億円、1元=約22円)規模の投資を維持し、雄安新区の建設を支援する。
  3. ハイレベルな経済発展を着実に推進し、全方面における内需拡大で国際消費中心都市としての建設を深化させ、効果的な投資を拡大する。
  4. 民生(国民生活の保障)事業を着実に推進し、医療・医療保険・医薬(3つの医)の連携発展とガバナンス効果を拡大し、高齢者向け医療、小児科、精神衛生、基層医療のサービス能力を強化する。
  5. 改革開放を全面的に深化し、ビジネス環境の改革を推進し、国際水準の一流のビジネス環境を整備・構築する。また、中国国際サービス貿易交易会(CIFTIS、2025年9月18日記事参照)、中関村フォーラム、金融街フォーラム、北京文化フォーラムの専門性と市場化レベルを向上させ、開放プラットフォームとしての機能を強化する。
  6. 文化・観光分野では、文化・商業・観光・スポーツ・展示(見本市・展示会)の融合発展を深化させ、工業観光、科学技術観光、ファッション観光を充実し、水辺を生かした空間づくりや、レジャーなどの新たな文化・観光シーンを創出する。
  7. 超大都市のガバナンスの効率を高め、居住者向けサービス体系を整備し、人口増加と都市発展の調和を図る。

(注)「4つの中心」は、首都である北京市の戦略的位置付けにおける、「政治の中心」「文化の中心」「国際交流の中心」「科学技術革新の中心」としての機能を指す。「4つのサービス」は、中央政府が首都に求める基本要件ならびに根本的責務としての「中央の党・政府・軍指導機関の業務執行に向けた対応」「国家としての国際交流に向けた対応」「科学技術・教育発展に向けた対応」「人民生活改善に向けた対応」を指す。

(蔣春霞)

(中国)

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