パナソニックエナジー、米アマゾン傘下の自動運転タクシー企業ズークスとバッテリー供給契約を締結

(米国、日本)

サンフランシスコ発

2025年12月05日

パナソニックグループのパナソニックエナジー(本社:大阪府守口市)は11月25日、米国アマゾン傘下の自動運転タクシー企業ズークス(Zoox、本社:カリフォルニア州フォスターシティ)と、同社車両に搭載する円筒型リチウムイオン電池、2170セルの複数年にわたる供給契約を締結したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。2026年初頭から供給を開始する。

パナソニックエナジーが供給する2170セルは、高いエネルギー密度、安全性、信頼性が特徴。同社は2025年9月時点で世界に約200億個(電気自動車、約400万台分)を供給し、電池起因による車両リコールゼロを維持している。まず、日本の工場から供給を開始し、将来的には同社の米カンザス州工場からの供給へ拡大していく予定だ。また同社は、米テスラ向けにも車載電池を供給している。

パナソニックエナジー社長執行役員の只信一生(ただのぶ・かずお)氏は「ズークスは真にユニークな存在で、次世代モビリティの革新に貢献できる重要な機会だ」と述べた。

ズークスのサプライチェーン・品質管理部門副社長のブルース・バウムガートナー氏は「パナソニックエナジーの革新と品質へのこだわりは、より安全でクリーン、快適な都市モビリティを実現するという当社の使命と合致する」とコメントした。

ズークスは、完全自動運転を前提に設計された特徴ある箱型車両を開発し、カリフォルニア州ヘイワードに初の量産拠点を新設した(2025年6月24日記事参照)。同車両はハンドルもペダルもなく、乗客が向かい合わせに座る構造が特徴だ(2025年8月18日記事参照)。2025年9月にラスベガスで一般乗車サービスを開始し、11月にはサンフランシスコでも初期ユーザー向けに無料乗車サービスを開始した(2025年11月26日記事参照)。

調査会社グランドビューリサーチのレポートによれば、2024年の米自動運転タクシー市場は4億5,000万ドル規模で、2025~2030年に年率74.6%で成長すると予測されている。

(松井美樹)

(米国、日本)

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