自動運転タクシーの米ズークス、サービス開始に向け量産工場を設立

(米国)

サンフランシスコ発

2025年06月24日

米国アマゾン傘下のズークス(Zoox、本社:カリフォルニア州フォスターシティ)は6月18日、カリフォルニア州ヘイワードに自動運転タクシーの量産工場を開設したことを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。これにより、同社の自動運転タクシーの組み立て能力は、フル稼働時には年間1万台を超えることになる。2025年後半に予定されているラスベガスでのサービス開始、2026年のサンフランシスコ、さらにその後のオースティン、マイアミなどでの事業展開に活用される。

サンフランシスコ半島の対岸イーストベイの22万平方フィート(約2万439平方メートル)の新工場では、自動運転タクシーのエンジニアリング、ソフトウエアとハードウエアの統合、組み立て、部品の保管、タクシー配備前の最終検査などの業務を行う。同社の車両は、ウェイモなどの自動運転車とは異なり、ステアリングホイールや運転席を持たず、向かい合って座る4人乗りの車両となっており、同社は「ロボットタクシー」と位置付けている。

同工場では、騒音と大気汚染を軽減するため、溶接、切断、塗装などのエネルギー集約型プロセスを行わない。これにより、自動車メーカーと比べて施設全体の電力消費量が比較的低くなるという。主要部品などは、既存のサプライヤーと提携し、製造工程の一部を外部委託することで、自社での全工程管理をせず、効率化を図っている。この戦略は最終組み立てプロセスを効率化し、大規模な産業活動の環境への影響を軽減する、と同社は述べている。ズークスのアイシャ・エバンス最高経営責任者(CEO)は「今後、米国および海外に追加の製造施設を開設する可能性がある」と述べた(AP通信6月18日)。

なお、ラスベガスでのサービス開始に向け5月28日、市内のストリップ(注)北端のリゾーツ・ワールド・ラスベガスとパートナーシップを締結し、専用の乗降場や体験スペースを設置することを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますしている。

(注)ラスベガス市街地にある約7キロメートルの大通りで、高級カジノホテルやショー、レストランが集まり、世界有数の観光地として知られる。

(芦崎暢)

(米国)

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