タイ、COP30で国内行動の強化と国際協力の拡大を演説
(タイ)
バンコク発
2025年12月18日
タイ政府は、2025年11月10日から22日にかけて、ブラジル北部のベレンで開催された国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)に、パトラナン・トンプラパン首相府政治担当副事務局長を団長とし、天然資源・環境省のピルン・サイヤシットパニッチ気候変動・環境局長を含む、タイ代表団を派遣した。
パトラナン氏は、COP30の閣僚級会合の演説
で、タイ政府が11月4日に閣議承認した温室効果ガス(GHG)の新たな排出削減目標である「国が決定する貢献(NDC)3.0」(2025年11月17日記事参照)について、2019年比で47%のGHG削減や2050年のカーボンニュートラルの実現目標を前倒しすることを述べた。また、タイ国内では、炭素税などを含む気候変動法を策定中(注1)であることや、気候変動適応に関する世界全体の目標(GGA)(注2)に関し、国内と世界全体での進捗を一致させるため、すべての締約国と協力していくことなどに言及した。
また、COP30期間中の11月18日に、タイとシンガポールは、8月19日に署名した炭素クレジット協力の実施協定に基づく適格プロジェクトリストを公表した(2025年12月4日記事参照)。
(注1)タイ国内では、2025年12月2日に気候変動法案が閣議決定されている(2025年12月15日記事参照)。
(注2)パリ協定で、適応に関する能力の向上ならびに気候変動に対する強靱(きょうじん)性の強化および脆弱(ぜいじゃく)性の改善からなる、適応に関する世界全体の目標(Global Goal on Adaptation, GGA)を定め、持続可能な開発に貢献するとされている。
(野田芳美、ピンラウィー・シリサップ)
(タイ)
ビジネス短信 131413d998c9e710




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