第1回観光サミット「TOURISE」、リヤドで開催

(サウジアラビア、日本)

リヤド発

2025年11月25日

サウジアラビアの首都リヤドで1111日~13日、同国初開催となる観光サミット「TOURISE外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」が開催された(11月11日付サウジアラビア国営通信社(SPA外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。開催テーマは「未来への大きな一歩(The Giant Step Into the Future)」で、世界中から観光分野における国際リーダー、意思決定者、イノベーターなど140人を超える講演者が参加した。日本企業からはJTBの山北栄二郎代表取締役が登壇した。

TOURISEは、観光関連のさまざまな分野が連携・統合する仕組みを再考し、今後50年間の観光業界の未来を形づくるための変革的なイニシアチブの立ち上げを目指している。今回は、旅行を再構築する5つの要素(革新的なテクノロジー、国境と橋、次世代の観光客誘致競争、観光体験、未来の目的地のデザイン)に焦点を当て、40以上のパネルディスカッションと15以上のワークショップが開催された。また、初日には、インフラ開発や人的資本の育成、ホスピタリティー分野における先進技術の導入等、合計1,130億ドルの投資契約が締結された。

写真 パネルディスカッションの様子(ジェトロ撮影)

パネルディスカッションの様子(ジェトロ撮影)

写真 展示会場の様子(ジェトロ撮影)

展示会場の様子(ジェトロ撮影)

アハメド・アル・カティーブ観光相は開会あいさつで、「TOURISEは、スキル、投資、インフラ、持続可能性、デジタル変革などにおいて、長きにわたり観光業の潜在能力を阻害してきた課題に取り組むための共同行動プラットフォームだ。この取り組みを通じて、投資家にとって魅力的なリターン、旅行者にとって手頃な価格でアクセスしやすい目的地と質の高い体験、そして旅行需要の増加に伴う地域社会の雇用創出とさらなる繁栄という、全ての人にとって最良の結果をもたらすことを目指す」と述べた。

サウジアラビアは国家改革戦略「ビジョン2030PDFファイル(2.7MB)」の下、観光立国を目指している。国家観光戦略では、2030年までの目標として1億5,000万人の旅客受け入れ(国際旅客と国内旅客合計)を掲げている。2019年の観光ビザ解禁以降(2019年10月1日記事参照)、「2030年リヤド万博外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」や「FIFAワールドカップ2034」といった世界的イベントの誘致や、リヤド市の南西約40~50キロメートルの場所に建設されるエンターテインメント、スポーツ、文化の総合地区「キディヤ(Qiddiya)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」などの観光インフラ開発を進めている。また、2025年10月26日から国営新興航空会社「リヤド航空」の運航が開始されている(2025年10月10日記事参照)。

(井村文哉)

(サウジアラビア、日本)

ビジネス短信 f0f75484a610fd97