リヤド航空、設立以来初の路線となるロンドン便を10月26日から就航
(サウジアラビア、英国)
リヤド発
2025年10月10日
サウジアラビアの首都リヤドを拠点とする国営の新興航空会社リヤド航空(注1)は10月8日、同社として初めての就航路線となるリヤドのキング・ハーリド国際空港から英国ロンドンのヒースロー空港への1日1往復の運航便を10月26日から開始することを発表した。
機体はボーイング787-9型の技術予備機「ジャミラ(Jamila)」。同便の航空券は当初は同社社員や同社が新設した会員制度「サフィール(Sfeer)」(注2)の会員向けに販売する。一般向けの販売は787-9型機の納入後になるとみられる。
〇運航予定スケジュール(時間は全て現地時間)
- RX401 リヤド(午前3時15分)→ロンドン(午前7時30分)、運航日:毎日
- RX402 ロンドン(午前9時30分)→リヤド(午後7時15分)、運航日:毎日
リヤド航空のトニー・ダグラス最高経営責任者(CEO)は「リヤド航空の就航は単なる路線開始ではなく、『サウジ・ビジョン2030』(注3)の推進力として、サウジアラビアと世界をつなぐというわれわれのビジョンの実現で、2025年の運航開始という公約がかたちになってきた」とした。また、「綿密に計画されたフライトプログラムにより、全ての運航詳細を完璧に整え、シームレスで信頼性の高い世界水準の旅行体験を保証する。完全な運航開始まであと一歩で、今後数週間でさらなる目的地の発表を予定している」と述べた〔10月8日付サウジアラビア国営通信(SPA)〕。10月8日付リヤド航空ニュースリリース
によると、今後、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ線の就航も予定されている。
(注1)サウジアラビア政府系投資ファンドの公共投資基金(PIF)傘下の新興航空会社で、2023年3月に設立。首都リヤドを拠点に2025年中の就航を計画しており、2030年までに世界100都市以上への乗り入れを予定している。
(注2)「サフィール」は、アラビア語で「大使」を意味する言葉と、英語の「Sphere(球体)」を組み合わせた名称。サフィールプログラムは、ポイントを家族や友人と共有でき、一緒に上位会員ランクを目指すことができる。2026年には全ての機能が利用できるようになり、ランキング機能や有効期限のないポイントなどが導入される〔10月8日付サウジアラビア国営通信社(SPA)〕。
(注3)サウジアラビアの国家戦略。サウジアラビアはサウジ・ビジョン2030の下、観光誘致政策も推進している。
(林憲忠)
(サウジアラビア、英国)
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