大連国際空港集団、湖北省の鄂州花湖国際空港との協力で大連発欧米向け貨物の輸送日数を短縮
(中国)
大連発
2025年11月26日
中国の大連国際空港集団と湖北国際物流空港(湖北省鄂州市に所在する鄂州花湖国際空港の運営者、注1)は11月12日、大連空港で両社の協力枠組みの調印式および「遠距離貨物ステーション」の除幕式を行い、同日から運営を開始した。
同ステーションの初回取り扱い貨物として同日、大連、鄂州の両空港よりそれぞれ1ロットが輸送された。大連発の貨物1ロットは衣料品(1,000キログラム)で、鄂州を経由して米国ニューヨークへ、鄂州発の貨物1ロットは石英ガラス管で、大連を経由して東京へ輸送された。いずれも順豊航空(注2)の航空便を利用した。
大連国際空港の発表によると、同空港では日本、韓国、ロシアとの国際航空便が運航されており、順豊航空、日本航空、全日本空輸などの航空会社と複数回の協議を実施し、協力モデル、輸送力調整、中継効率、運賃政策などで合意に達し、大連・鄂州両空港間のデータ連携と物流サービス施設の相互接続を実現したとしている。
同ステーションの運営により、大連発・欧米着の貨物は鄂州空港を経由することにより、従来の所要時間が4日間から2日間に短縮される。また、鄂州発・日韓着の貨物は大連空港を経由することで、輸送コストを15%以上削減できるという。
大連空港によれば、今回の協力により、「華中-大連-日韓」「大連-華中-世界」の双方向の航空貨物輸送ルートが構築され、大連をはじめとする中国東北地域の欧米路線における輸送力不足を効果的に緩和し、東北地域の特色ある製品の世界展開を推進すると同時に、華中地域の製品やEC貨物の北東アジアへの展開を支援するものにもなるとしている。大連空港は、今回の協力を契機に今後、冷凍水産物や果物などの高付加価値コールドチェーン貨物の輸送強化に注力していくとしている。
(注1)鄂州花湖国際空港は、2022年に運営を開始した空港で、貨物専用ハブとして「一夜で全国へ、隔日で世界へ」というスローガンを掲げている(2022年6月29日記事、2023年6月2日記事、2024年10月24日記事参照)。
(注2)順豊航空は、2009年に設立された、国内初かつ最大規模の民間貨物輸送航空会社。本社は広東省深セン市にあり、深セン市、浙江省杭州市、北京市、鄂州市に航空基地を設置している。
(李穎)
(中国)
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