顎州市とロサンゼルスを結ぶ航空貨物便が就航

(中国)

武漢発

2023年06月02日

中国物流大手の順豊エクスプレス(以下、SF)が出資する貨物航空会社、順豊航空は5月26日、湖北省顎州市の顎州花湖空港(以下、花湖空港)と米国・ロサンゼルスを結ぶ直行貨物便を就航した。順豊航空による花湖空港と北米地域を結ぶ航空貨物便の就航は初めて。

顎州市政府は同便の就航について、「中国全土から北米地域へ輸出される貨物が顎州市に集積することで花湖空港の航空貨物輸送におけるハブ機能の発揮が促進され、花湖空港を中心とした適空産業(注1)と臨空経済(注2)の発展につながる」と期待を示している。

花湖空港を用いた国際物流ネットワークが拡大

花湖空港は、SFが提起した、湖北省での国際物流ハブ空港の建設計画が具体化し、建設されたもの。国家民航総局が2016年に、鄂州市での「湖北国際物流核心枢軸プロジェクト」の実施を認可。その後、湖北省政府とSFが共同で花湖空港を建設し、2022年6月に一部がオープンした。

同空港は貨物物流を主体としつつ、旅客輸送や各種公共プラットフォームを併設する「アジア太平洋地域最大級の貨物専用空港(旅客サブ空港としても運用)」で、全世界では4位の規模になるという(2022年6月29日記事参照)。

順豊航空は2023年4月以降、ベルギーのブリュッセルやインドのチェンナイ、デリーなど、欧州や南アジアへの航空ネットワークを拡大させている。同社は、引き続き顎州市を起点とした国際貨物航空ネットワークを拡充させ、産業チェーンにサービスを提供する能力を強化していくとしている(「長江日報」5月27日)。

(注1)電子情報、EC(電子商取引)、バイオ医療のような高付加価値かつ輸送速度が求められる航空輸送が適している産業。

(注2)空港に隣接するエリアに、空港機能を活用する産業などが集積した経済空間。

(楢橋広基)

(中国)

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