米国、G20首脳会議は不参加の見込み
(米国、南アフリカ共和国)
ヨハネスブルク発
2025年11月14日
各種報道によると、米国は11月22~23日に南アフリカ共和国・ヨハネスブルクで開催されるG20首脳会議には不参加となるもようだ。ドナルド・トランプ米大統領の代理として出席予定だったJ.D.バンス副大統領(2025年9月5日記事参照)も、出席をキャンセルしたという。
バンス副大統領はG20首脳会議出席の後、ケニアにも立ち寄る予定だったが、同訪問もキャンセルされたという。在南ア米国商工会議所は11月12日、ロイターを引用するかたちで、この件をホームページ上に掲載した。トランプ大統領はこれに先立ち、11月5日にフロリダ州で行われた会合での演説で、「(南アは、G20のような)グループの枠組みの中にいるべきではない」と述べ、再び南アへの批判を強めていた(11月5日付ロイター)。また、中国も習近平国家主席の出席は見送り、李強首相が出席するもようだ。
これに対し、南アのシリル・ラマポーザ大統領は、「ボイコット政治は効果がない」と述べるとともに、「(米国の)不在は彼ら自身の損失だ」とし、不参加によって首脳会議自体が妨げられることはないと述べた。さらに、米国は「世界最大の経済大国として果たすべき非常に重要な役割を放棄している」と批判した(11月12日付BBC)。
アフリカで初めてG20議長国を務める南ア政府。ラマポーザ大統領は、アフリカの声をG20諸国や国際社会に届けるべく、腐心してきた。「連帯、平等、持続可能な開発」をテーマとした2025年のG20の集大成ともいえる首脳会議では、「G20世界不平等に関する独立専門家特別委員会」の報告書が討議される予定だ。同委員会は2025年8月、ノーベル経済学賞を受賞したジョセフ・スティグリッツ氏を委員長として組織され(2025年9月26日記事参照)、討議を続けてきた。
ラマポーザ大統領は、「(本報告書が)不平等に取り組むための新たな世界的取り組みを開始するための強固な基盤を提供する」とし、「必要な意志と決意を示すのは、今やわれわれG20首脳と世界の指導者たちの責任だ」と述べている。
(的場真太郎)
(米国、南アフリカ共和国)
ビジネス短信 d0fa3f8095a6a9b4




閉じる
