トランプ米大統領、G20首脳会議への欠席表明

(米国、南アフリカ共和国)

ヨハネスブルク発

2025年09月08日

米国のドナルド・トランプ大統領は9月6日、メディアに対し、11月に南アフリカ共和国ハウテン州で開催される予定のG20首脳会議を欠席し、代理としてJ.D.バンス副大統領を派遣すると表明した(9月6日付NBCニュース、同ブルームバーグ)。

トランプ大統領の同会議への出席については、かねて同大統領が「南ア政府は悪い政策を取っている」と批判し続け、両国関係の緊張が高まっていたことから、懐疑的な見方が広がっていた。G20の外相会合や財務相会合にもマルコ・ルビオ国務長官や、スコット・ベッセント財務長官らは欠席していた(2025年2月26日記事参照)。

同大統領の2025年1月の就任以降、米国と南アの関係は冷え込みが続いている。南アが議長国を務めるG20会議には米国閣僚の欠席が続いているほか、トランプ政権が発表した対南ア相互関税は30%となり(2025年8月4日記事参照)、南ア経済への影響が出始めている。5月にシリル・ラマポーザ大統領が訪米してトランプ大統領との首脳会談を行った直後は、改善の兆しがあるとの報告もみられたが(2025年5月30日記事参照)、実際には、その後も具体的な進展はないもようだ。

一方で、トランプ大統領は、米国が南アの後を継いでG20議長国になって2026年に行われるG20首脳会議は、米フロリダ州マイアミ近郊に自身が所有するリゾート施設で開催すると表明した。「米国第一主義」を掲げるトランプ政権がG20のような多国間協力の枠組みそのものに興味を示さないのではないかとの懸念も指摘されていたが、ベッセント財務長官は「G20を原点に立ち返らせ、これまで以上に米国民のために機能するようにする」と述べた。

(的場真太郎)

(米国、南アフリカ共和国)

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