北部ドイツで水素分野の日独交流、ジェトロが主催
(ドイツ、日本)
ベルリン発
2025年11月20日
ドイツ・ハンブルクで開催された水素技術展示会「Hydrogen Technology World Expo 2025」(2025年11月18日記事参照)の機会を捉え、ジェトロは、「ハイファイブ(HY-5)
」(注)および在ハンブルク日本総領事館の協力のもと、10月23~24日にハンブルクで「北部ドイツGX交流会」を実施し、日独の水素関連事業者の交流促進を図った。
23日には、展示会の開始前の時間を活用して、日独の水素関連事業者を対象としたネットワーキングを実施。冒頭にHY-5からの、ハンブルク州における水素関連事業(2025年3月25日付地域・分析レポート参照)やHY-5の活動について説明ののち、参加者間で交流を行った。その後、展示会場内で地元ハンブルク州とブレーメン州のブースツアーを実施した。各州担当者が先導するかたちで地元の企業や研究機関のブースを訪問し、出展者から直接説明を受けるとともに、活発な意見交換が行われた。
ネットワーキングでHY-5の活動について説明する様子(左)とハンブルク州・ブレーメン州のブースツアーの様子(右)(ジェトロ撮影)
23日夜には、在ハンブルク日本総領事公邸において、ネットワーキング・レセプションを開催した。冒頭のあいさつで、戸田真介・駐ハンブルク日本総領事は、10月22日に川崎重工業がダイムラートラックおよびハンブルク港の港湾物流事業を統括するハンブルガー・ハーフェン・ウント・ロジスティク(HHLA)と液化水素のサプライチェーン構築に関する覚書を締結したことにも触れ、水素分野において日独両国が引き続き協力していくことの重要性を述べた。また、HY-5を代表してハンブルク州経済・労働・イノベーション省のマルティン・シュミット氏から、日本企業との協業を歓迎するコメントがあった。
総領事公邸ネットワーキング・レセプションでの戸田総領事からの冒頭あいさつの様子(ジェトロ撮影)
24日には、河川港であるハンブルク港の水素・港湾関係施設を視察船に乗って見学したほか、ハンブルクにある応用航空宇宙研究センター(ZAL)を訪問し、航空産業への水素利活用に向けた研究プロジェクトについて説明を受けた。
日本側参加企業からは、「新たなネットワークができた」「北部ドイツの動向を把握する機会となった」との声が寄せられた。またHY-5は、2026年3月に東京で開催される「スマートエネルギーWEEK」に出展予定で、日本企業とのさらなる協業拡大に期待が示された。
(注)北部ドイツ5州(ブレーメン州、ハンブルク州、メクレンブルク・フォアポンメルン州、ニーダーザクセン州、シュレスビヒ・ホルシュタイン州)の経済振興公社が連携して、ドイツ北部を欧州中心部のグリーン水素の最有力地域とし、グリーン水素のバリューチェーンを開発・完成させることを目的としたイニシアチブ。
(中山裕貴)
(ドイツ、日本)
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