2025年通年のGDP成長率見通しを3.2%に上方修正
(香港)
香港発
2025年11月26日
香港特別行政区(以下、香港)政府統計処は11月14日、2025年通年の実質GDP成長率見通しを3.2%と発表した。8月に発表した見通し(2~3%)から上方修正した(2025年8月28日記事参照)。達成された場合、香港の通年のGDP成長率は新型コロナ禍後の2023年から3年連続のプラス成長となる。
加えて、同処は同日に2025年第3四半期(7~9月)の実質GDP成長率の確定値を前年同期比3.8%と発表した。10月31日に発表した速報値から修正はなかった(2025年11月7日記事参照)。
香港政府経済顧問代理の林幗瑛(セシリア・ラム)氏は、2025年末にかけて香港経済は堅調な成長を維持するとの見通しを示し、背景として「世界経済の緩やかな成長」と「米中貿易摩擦の緩和」を挙げた。さらに、第1~3四半期の実質GDPが前年同期比で3.3%成長していることを踏まえて、通年の実質GDP成長率見通しが上方修正されたと説明した。一方、米国の利下げペースや、外需の変動による財貨の輸出の鈍化など、香港経済に影響を及ぼす不確実性は引き続き注視する必要があると指摘した。
また、陳茂波(ポール・チャン)財政長官は、第3四半期の経済成長について、「政府による金融推進策や投資誘致に関する取り組みなど、世界経済の変化に応じたタイムリーな政策判断が寄与した」と述べ、香港経済の拡大傾向は2026年も続くだろうと予想した(「RTHK」11月16日)。
〔黄莃倫(ケリー・ウォン)〕
(香港)
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