英政府、食品包装・容器などへのビスフェノールA使用禁止について意見公募
(英国、EU)
ロンドン発
2025年10月07日
英国食品基準庁(FSA)は10月2日、食品接触素材(注1)へのビスフェノールA(BPA、注2)と、その他のビスフェノール類の使用禁止について、意見公募を開始した(12月24日締め切り)。EUでは、欧州委員会規則(EU)2024/3190が2025年1月に施行され(18カ月間の経過措置あり)、食品接触素材へのBPAなどの使用が禁止されているが、英国は独自に安全性評価を進めていた。なお、ウィンザー・フレームワーク(2023年3月2日記事参照)により、北アイルランドではEUの規則が適用されている。
英国でも、EU離脱前の2018年に欧州委員会規則(EU)2018/213が施行されており、哺乳瓶など乳幼児向け食品に接触することが意図された食品包装・容器などについては、既にBPAの使用が禁止されている。
今回の意見公募でのFSAの提案では、2026年7月までに食品接触素材へのBPAなどの使用を禁止する規則を制定・公布し、経過措置を設けて2026年後半から順次適用していく工程表が示されている。
(注1)英国とEUでは、「食品と接触することを意図されているもの」「既に食品に接触しているもの」「食品に接触することが予想されているもの」を「食品接触素材」として規制。食品を包む包装材料や台所用品、食器に加え、食品を輸送するための保管容器、食品工場で食品を加工する機械なども対象。
(注2)家庭用キッチン用品や食品包装(詰め替え可能な水筒、食品・飲料缶の内張りなど)の製造に使用されているが、BPAが食品包装・容器などから食品に移行して内分泌系、生殖系、免疫系に影響することが懸念されている。
(林伸光)
(英国、EU)
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