注目集めたウズベキスタン「ICTウイーク」初のジャパンパビリオン
(ウズベキスタン、日本)
海外展開支援部フロンティア開拓課
2025年10月06日
ウズベキスタンの首都タシケントで、同国最大のITイベント「ICTウイーク」が9月23日から26日まで開催され、ジェトロは初めてジャパンパビリオンを設置した。日本から中堅・中小企業5社を含む6社が出展し、自社の技術をPRした。
ジャパンパビリオンには、アークエッジ・スペース、インターネットイニシアティブ、オリオンコンピュータ、Synspective(シンスペクティブ)、スマートシティ技術研究所、増井の6社が参加した。来場の政府関係者や民間企業、学生に対し、衛星技術やマイクロデータセンター、人工知能(AI)を活用したインフラマネジメント技術などを紹介し、商談を行った。ジャパンパビリオンを視察したシェルゾド・シェルマトフ・デジタル技術相は日本の高い技術に期待を示すとともに、日本の初参加を高く評価した。出展企業からは、「現地のIT企業の出展者や参加者とさまざまな意見交換ができ、今後のウズベキスタンでのビジネス拡大につなげられると期待できた」などの感想が寄せられた。
商談が行われているジャパンパビリオン(ジェトロ撮影)
会期2日目にはジェトロ主催で「日本の技術が拓く可能性:ウズベキスタンICT市場との共創」と題し、出展日本企業の技術紹介と日本のプレゼンス向上を目的としたセミナーを実施した。冒頭の来賓スピーチではルスタム・カリムジョノフ・デジタル技術省次官が日本企業との連携への期待を述べた。セミナー後半では来場者と日本企業との間でネットワーキングも行われた。
ジェトロが主催したセミナー(ジェトロ撮影)
同イベントは2004年から毎年開催され、ウズベキスタンIT教育協会の主催で、デジタル技術省など政府も支援している。会場内では展示ブースとセミナースペースが設けられ、国内通信大手ウズテレコムや、中国の華為技術(ファーウェイ)など多数の大手IT企業やスタートアップが出展したほか、韓国、中国、ラトビア、カタールがナショナルパビリオンを設置した。
ウズベキスタンは、海に出るには少なくとも2つの国境を越えなければならない「二重内陸国」として位置し、多言語を操る若年人材も多い。現在、2030年までのデジタル戦略の達成目標を掲げ、国を挙げてIT技術を活用した産業振興に取り組んでいる。IT分野の日本とウズベキスタンの関係では、デジタル技術省が2024年に大臣顧問として、情報通信技術(ICT)分野に詳しい日本人の桜井明博氏を迎え入れた(2024年10月18日記事参照)。2025年にはジェトロが2月にITミッションを派遣(2025年3月6日記事参照)、ウズベキスタンITパークは日本のIT企業の誘致を目的として、5月に東京事務所を開設している(2025年5月19日記事参照)。
(神田桃佳)
(ウズベキスタン、日本)
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