バンス米副大統領がイスラエル訪問、中東和平計画は「予想以上に順調」
(イスラエル、パレスチナ、米国)
テルアビブ発
2025年10月22日
米国のJ.D.バンス副大統領は10月21日、イスラエルを訪問し、同国南部のキルヤット・ガトに開設された「民間軍事調整センター(CMCC)」で記者会見を行った。
米国中央軍司令部(CENTCOM)によると、CMCCは10月17日に開設され、ガザへの人道支援、物流支援、安全保障支援を国際的に調整するための拠点であり、約200人の米兵が同センターに動員されているという。
バンス副大統領は、ドナルド・トランプ米大統領による中東和平計画(2025年9月30日記事参照)について「予想以上に順調に進んでいる」と評価し、「CMCCでは、イスラエルと米国が協力して、ガザの再建計画の開始、長期的な和平の実現、そして、長期的に平和を維持できる、米国人ではない治安部隊をガザの地上に確保することを目指している」と述べた。
ハマスによる遺体の返還が遅れていることについては、「何千ポンドものがれきの下に埋まっている者もいれば、所在が不明な者もいるので時間がかかっている。少しの忍耐が必要だ」と理解を求めた。一方で、ハマスの武装解除に関しては、「もしハマスが協力しなければ、米大統領が述べたとおり、ハマスは壊滅させられるだろう」と警告した。
10月10日の停戦発効を受け、ハマスは10月13日に人質の返還を開始し、生存者20人は同日にイスラエルに引き渡されたが(2025年10月14日記事参照)、死亡した人質の遺体返還は遅延している。10月21日現在で15人の遺体がガザに残されたままになっている。
また、10月19日には、ハマスによる攻撃によりイスラエル兵2人が死亡した。これを受けて、イスラエル軍はガザ地区全域のハマスの拠点を攻撃したが、停戦は維持されている。
イスラエルとハマスの衝突の詳細については、ジェトロの特集を参照。
(中溝丘)
(イスラエル、パレスチナ、米国)
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