ドイツ風力見本市HUSUM WIND 2025、23カ国600社が最新技術を展示
(ドイツ)
ベルリン発
2025年10月01日
ドイツ北部のシュレスビヒ・ホルシュタイン州フーズムで9月16~19日、風力発電関連の見本市「HUSUM WIND 2025」が開催された。主催者によると、出展者は23カ国から約600社、来場者は51カ国から約1万2,300人で、前回2023年(2023年10月13日記事参照)と同規模の開催となった。
国外からの出展では、2025年の公式パートナー国デンマークからの出展がパビリオンを設置するなどして最多、次いで中国企業の出展が多く、ホールスポンサーを務める中国メーカーなどもあって目立った。日本からの出展は、日系企業の現地子会社など数社の出展にとどまった。
デンマークのパビリオン(ジェトロ撮影)
開幕式にはシュレスビヒ・ホルシュタイン州のダニエル・ギュンター州首相が出席し、「デンマークとともに欧州のエネルギー転換をさらに推進する」「2040年までに州を気候中立にすることを引き続き目指していく」と強調した。
地元シュレスビヒ・ホルシュタイン州のパビリオン(ジェトロ撮影)
会場は6ホールに分かれ、陸上・洋上風力に加え、グリーン水素、セクターカップリング、蓄電、デジタル化、リサイクルやリパワリング、関連する金融分野など、エネルギー転換に関する幅広い技術が紹介された。同展示会は風力産業変革の重要なプラットフォームで、業界関係者にとってネットワーキングや情報交換の場となっている。展示会場では大型風車の新型プロトタイプが発表され、来場者の大きな関心を集めた。
会期中には、ドイツ大手風力発電機メーカーのエネルコンと、同国大手再生可能エネルギーEPC(注)企業のユーイが陸上風力で2030年までの長期協力契約を締結したほか、メルセデス・ベンツのドイツ北西部パーペンブルクの試験走行施設での140 メガワット(MW)規模の風力発電所を建設する予定(2025年9月24日記事参照)など、複数のプロジェクトが発表された。
ドイツ大手風力発電機メーカーのエネルコンのブース(ジェトロ撮影)
このほか、会場では人材確保を目的としたジョブフェア「WINDCareer」が開催され、出展企業29社と約800人の若手が参加したほか、女性の活躍推進を目的としたネットワーキングイベント「Women in Wind」も初めて実施された。
次回は2027年9月14~17日に開催の予定。
(注)Engineering(設計)、Procurement(調達)、Constructing(建設)を一括したプロジェクトとして請け負う企業。
(中山裕貴)
(ドイツ)
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