セネガル経済特区で投資フォーラム、大統領は投資環境の抜本的改革を表明

(セネガル)

アビジャン発

2025年10月21日

セネガルの経済特区ジャムニャジョで10月6日から8日にかけて、第2回インベスト・イン・セネガル・フォーラム(Fii Sénégal 2025)が開催された(2025年10月21日記事参照)。閉会式でのセネガルのウスマン・ソンコ首相の発表によると、70カ国から1万1,772人が参加し、51件のプロジェクト・協定が締結された。関連投資額は約235億ドルに達し、2023年の第1回フォーラムの約113億ドルから倍増した。ソンコ首相は、これらの実績は世界がセネガルに寄せる信頼の証しだと述べた。

同フォーラムは農産業(2025年9月30日記事参照)、グリーンエネルギー、鉱業の高度化、ブルーエコノミー(注)、デジタル分野の投資機会に焦点を当て、経済発展の新段階に向けた戦略的連携と外国資本の誘致を促進した。セネガルのバシル・ジョマイ・ジャファール・ファイ大統領は、法制度やインセンティブ制度の整備を通じて、投資環境の抜本的改善を進める方針を表明し、改正投資法が既に採択されていることに加え、一般税法、関税法、労働法、社会保障法、公共調達法、経済特区に関する法律の全面的見直しを進めていると述べた。

このフォーラムの運営はセネガル投資促進・公共事業公社(APIX)が担った。ファイ大統領はデジタル化されたワンストップ窓口を通じて企業支援を実施するAPIXを評価し、フォーラムへの尽力に感謝の言葉を述べた。

フォーラム内では、セネガルで生産加工されたファッション製品やスキンケア商品、化粧品などの展示会も併催され、多くの外国人来場者が集まった。首都ダカールで開催されるファッションイベント「ダカール・ファッション・ウイーク」の創設者アダマ・アマンダ・ンジャイ氏がデザイナーを務めるアダマ・パリ(Adama Paris)をはじめ、141社が参加し、メード・イン・セネガルのブランド価値をアピールした。

ソンコ首相は今回のフォーラムを「行動の場」と位置づけ、今後も制度改革と環境整備を通じて、持続可能な経済成長と雇用創出を実現する決意を表明した。セネガルは、地域の経済的ハブとしての地位の確立や、アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)を見据えた戦略的展開を加速させている。

写真 APIXのバカリ・セガ・バチェリ総裁のあいさつ(ジェトロ撮影)

APIXのバカリ・セガ・バチェリ総裁のあいさつ(ジェトロ撮影)

写真 セネガル人デザイナーによる作品が並ぶ展示会場(ジェトロ撮影)

セネガル人デザイナーによる作品が並ぶ展示会場(ジェトロ撮影)

(注)一般的に「ブルーエコノミー」とは、海洋資源を持続可能に活用しながら、経済成長と環境保護の両立を目指す経済モデルを指す。

(安藤佳耶)

(セネガル)

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