セネガル投資フォーラム、世界各国から積極的な参加

(セネガル、ギニアビサウ、ブルキナファソ、ニジェール、モロッコ、サウジアラビア、中国)

アビジャン発

2025年10月21日

セネガルの経済特区ジャムニャジョで10月6日から8日にかけて、第2回インベスト・イン・セネガル・フォーラム(FII Sénégal 2025)が開催された。今回のフォーラムは「南南協力」の深化とアフリカ経済の持続可能な発展を目指す場として注目を集めた。セネガルのバシル・ジョマイ・ジャファール・ファイ大統領は開会式で、政府主導で現在進行中の改革アジェンダ「セネガル2050」は持続可能で強靭(きょうじん)、かつ競争力のある経済の構築や、地域資源の高度活用、ガバナンス強化、人材投資の4本柱を中心に据えていると強調した。

同フォーラムではアフリカ諸国からも積極的な参加が見られた。ギニアビサウのウマロ・シソコ・エンバロ大統領は演説で投資モデルの再構築を訴え、若者や女性、脆弱(ぜいじゃく)な層への社会的インパクトを重視した投資の必要性を強調し、西アフリカ地域全体の包摂的成長を目指す姿勢を示した。モロッコは経済界の主要企業を含む代表団を派遣し、エネルギーや医療分野での協力を模索した。サウジアラビアは主賓招待国として参加し、8億ドル規模のグランド・コート海水淡水化プラント建設事業に関する契約の締結を発表した(2025年7月30日記事参照)。サヘル諸国連合(AES)加盟国のブルキナファソとニジェールの首相も、セネガルとの2国間協力の強化を念頭に参加した。セネガルはこの2カ国が脱退した西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)との関係を維持しつつ、地域の分断を乗り越える包摂的な外交姿勢を示した。ブルキナファソのジャン=エマニュエル・ウェドラオゴ首相はパネルディスカッションで「投資と搾取は異なる」と述べ、国の持つ資源の有効活用と国民に還元することの重要性を強調し、その実現には西アフリカ地域での連携が必要と言及した。

また、中国企業に対しては、セネガルのアブドゥラマン・サール経済・計画・協力相がリサイクル施設や技術研修センター、地元中小企業のバリューチェーン統合支援への投資を呼びかけた。農業分野では、食料主権の確立を掲げ、種子から流通までを網羅する統合型農業バリューチェーンへの投資を要請し、加えて、ジャムニャジョに耐性種子、農業用ドローン、コールドチェーンを対象とした「中国・セネガル農業イノベーション・ハブ」を設立する意思を示した。

写真 バシル・ジョマイ・ジャファール・ファイ大統領の開会の言葉(ジェトロ撮影)

バシル・ジョマイ・ジャファール・ファイ大統領の開会の言葉(ジェトロ撮影)

(安藤佳耶)

(セネガル、ギニアビサウ、ブルキナファソ、ニジェール、モロッコ、サウジアラビア、中国)

ビジネス短信 e0a2b1df67327ec0