インドと欧州自由貿易連合(EFTA)の貿易経済連携協定(TEPA)、10月1日に発効
(インド、欧州、EFTA)
ニューデリー発
2025年10月14日
インド商工省は9月30日、インドと欧州自由貿易連合(EFTA、注)の貿易経済連携協定(TEPA)が10月1日に発効することを発表した。両国・地域は2024年3月10日に、同協定に署名していた(2024年3月19日記事参照)。
TEPA発効により関税の引き下げの対象となる譲許品目は、品目数ベースでみるとインド側で82.7%、EFTA側で92.2%。インドからEFTAへの輸出では、機械、有機化学品、繊維、加工食品などの分野で特にインドの輸出者に恩恵がある。
また、投資面については、EFTA加盟国が今後15年間でインドに対して1,000億ドルの投資を目指すことが約束され、この投資により100万人の直接雇用の創出が期待される。その他、看護師、公認会計士、建築士など、専門職の資格の相互認証に関する規定や知的財産権に関する項目が盛り込まれた。
TEPAの発効に際し、10月1日にはインドの首都ニューデリーで記念式典が行われ、インドのピユシュ・ゴヤル商工相やスイス連邦経済省経済事務局(SECO)のヘレン・ブドリガー・アルティエダ国務長官らが参加した。現地報道によると、今回のTEPA締結に関して、ゴヤル商工相は「今回のTEPAは、1,000億ドルの投資をもたらし、100万人の直接雇用を創出することで『メーク・イン・インディア』をさらに強化する」と述べた(「ヒンドゥスタン・タイムス」紙10月2日)。
インド政府は近年、各国・地域との貿易協定の締結交渉に積極的に取り組んでいる。特に、米国がインドからの輸入品に対して高い輸入関税をかけることを発表して以降は、輸出先の多角化を図るため、インド政府は各国との交渉を急加速させている。2025年7月には英国との自由貿易協定(FTA)を締結した(2025年7月30日記事参照)ほか、EU、アラブ首長国連邦(UAE)、カタール、オマーン、台湾などさまざまな地域・国とのFTA交渉も進めている。
(注)EFTA構成国はスイス、アイスランド、ノルウェー、リヒテンシュタインの4カ国。
(丸山春花)
(インド、欧州、EFTA)
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