「日・サウジEXPO投資フォーラム」でeスポーツや国際サッカーイベントへの注目高まる

(サウジアラビア、日本)

海外ビジネスサポートセンタービジネス展開課

2025年10月03日

ジェトロやサウジアラビア政府などが9月24日に共催した「日・サウジEXPO投資フォーラム」(2025年10月2日記事参照)では、スポーツ・エンターテインメント産業に関し、講演や対談、パネルディスカッションが行われ、同分野におけるサウジアラビア政府や日本企業の取り組みなどが紹介された。

eスポーツに関する対談では、サウジeスポーツ連盟会長のファイサル・ビン・バンダル・ビン・スルタン王子が登壇した。同国は、国家戦略「ビジョン2030」の下でeスポーツ振興を推進しており、2025年8月には首都リヤドでeスポーツ史上最大規模の「eスポーツ・ワールドカップ」(2025年8月27日記事参照)が開催されたばかりだ。ファイサル会長は、プロ人材育成やゲーム・コンテンツ制作分野のキャリア形成支援を進め、サウジアラビアを同産業のグローバルハブに発展させる方針を示した。パネルに登壇した日本企業からは、「サウジはエンタメ産業の中心となりつつある」との発言があり、同分野における存在感の高まりを強調した。

写真 eスポーツに関する対談の様子(ジェトロ撮影)

eスポーツに関する対談の様子(ジェトロ撮影)

スポーツ省の講演では、2030年までにスポーツ産業を非石油部門GDPの2.5%に拡大し、民間投資比率を25%に引き上げる目標が提示された。2027年のサッカーAFCアジアカップ(注1)開催に向け、リヤド、ジッダ、アル・コバールの3都市に計8つのスタジアムを新設する計画が進行中で、サッカーFIFAワールドカップ(W杯)2034年大会の単独開催(注2)も見据えた整備が進められている。同省によれば、国内サッカーリーグのサウジ・プロリーグ(SPL)は、2023年以降11のクラブが民営化。スポンサーシップ、メディア権利などからの収益により2022~2023年シーズン以降で総収益は61%増加し、市場価値は2022~2025年の間で約2倍と一大産業に成長している。

写真 スポーツ省の講演の様子(ジェトロ撮影)

スポーツ省の講演の様子(ジェトロ撮影)

(注1)アジアサッカー連盟(AFC)が4年に1度主催する大陸選手権大会。

(注2)国際サッカー連盟(FIFA)が主催するワールドカップは、2026年大会から参加国が48カ国に増加する。2026年大会は米国、カナダ、メキシコの3カ国が共同開催。2030年大会はモロッコ、ポルトガル、スペインの共同開催、2034年大会はサウジアラビアで開催することが決定されている。

(藤本海香子)

(サウジアラビア、日本)

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