DPワールド、8,500万ドル投じたスエズ湾の物流ターミナル稼働

(エジプト、アラブ首長国連邦)

カイロ発

2025年10月30日

アラブ首長国連邦(UAE)ドバイの港湾運営会社DPワールドが運営するエジプト・スエズ湾に面するアインソフナ・ロジスティクス・パークの開業式が10月27日、現地アインソフナで開催された。エジプトのムスタファ・マドブーリー首相らの閣僚や、ハマド・アル・ザアビ駐エジプトUAE大使、DPワールドグループ会長兼最高経営責任者(CEO)のスルタン・アハメッド・ビン・スライエム氏らが参加した。

英国の政府系開発金融機関ブリティッシュ・インターナショナル・インベストメント(BII)との提携により建設されたこの施設は、投資総額約8,500万ドルで、第1期プロジェクトが稼働を開始した。第2期プロジェクトは2026年中に稼働開始の予定で、1期、2期を合わせた敷地面積は30万平方メートル、従業員300人以上におよぶ見込みだ。既に90社と商談中だとしている。通関業務を含めた貨物輸送サービスを提供するほか、オフィススペース兼備の1,000~5,000平方メートルの既設倉庫をリースで利用することができる。

DPワールドはエジプトに2008年以来13億ドル以上を投資している。今回の開業式では、カイロの西に位置する工業都市「10月6日市(Sixth of October City)」に2,900万ドルを投じ、1万6,000平方メートルの低温倉庫の建設を開始したことも発表した。エジプトのコールドチェーンを強化し、エネルギー効率を高めることが狙いだという。

DPワールド以外の外資系によるスエズ運河特別経済区(SCZone)の物流セクター投資では、8月にトルコのシグマ・ロジスティクスとロジ・トレードが420万ドルを投じてコンテナの保税ヤード2カ所を運営し、うち1カ所をアインソフナに設置すると発表した(2025年9月1日記事参照)。

アインソフナでは工業開発が進んでいる。2025年8月には中国タイヤメーカー大手の賽輪集団(SAILUN)が敷地面積35万平方メートル、10億ドル(推定)を投じたタイヤ工場を建設すると発表し、2026年中に第1期の稼働を目指している(2025年8月18日記事参照)。

(西澤成世)

(エジプト、アラブ首長国連邦)

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