トルコからエジプトへの投資急増の中、物流会社が420万ドルの投資決定

(トルコ、エジプト)

イスタンブール発

2025年09月01日

トルコの物流会社シグマ・ロジスティクスとロジ・トレードは8月、スエズ運河特別経済区(SCZONE)への投資を決定した。両社はエジプトのユナイテッド・エジ・グループと提携し、新たにシグマ・エジプト(SIGMA Egypt)を設立する。コンテナの保管、取り扱い、修理の保税ヤード2カ所を運営し、海運会社にサービスを提供する計画だ。敷地面積は10万平方メートルで、うち5万平方メートルはカンタラ・ウエスト地区、残りの5万平方メートルはソフナ地区に割り当てられる。総投資額は420万ドルで、約100人の直接雇用の創出が見込まれているという(SCZONE外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますウェブサイト)。

SCZONEのワリド・ガマル・エルディン長官はこの計画について、同区における統合物流活動の強化に向けた重要な一歩とし、サプライチェーンコストの削減、コンテナ取扱効率の向上、新規雇用創出が実現できると発言している。加えて、SCZONEが世界を結ぶ主要物流プラットフォームになるというエジプトの国家戦略に沿った、サプライチェーン、製造、物流サービスのグローバルハブ化の強化につながると期待している。

近年、トルコからエジプトへの投資が増加傾向にある。トルコ中央銀行によると、トルコからエジプトへの投資額は2022年に1,600万ドルだったところ、2023年に6,900万ドル、2024年に3,700万ドルとなり、2025年に関しては8月時点で既に3,200万ドルに上っている(添付資料表、図参照)。

背景には、トルコ国内の生産コストの上昇があり、トルコより人件費が低く、トルコや欧州自由貿易連合(EFTA)と自由貿易協定(FTA)、EUと連合協定を締結しているエジプトへの生産拠点の移転が進んでいる、との報道がある(3月18日付「エコノミム」)。また、エジプトは特に綿花の生産が盛んなことから繊維・アパレル業界で顕著とされるが、白物家電、食品、皮革製品や建設に至るまで、さまざまな産業分野のトルコ企業投資が進んでいる、との報道もある(8月26日付「Patronlardunyasi」)。

(井口南)

(トルコ、エジプト)

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