ラオス発スタートアップのピッチイベント「LJI SUSU Scale-Up batch 3」が開催
(ラオス、日本)
ビエンチャン発
2025年10月10日
ラオス日本センター(LJI:Laos-Japan Human Resource Development Institute)は9月25日、ラオス発の若手中小企業およびスタートアップ企業の事業拡大を支援するピッチイベント「SUSU Scale-Up batch 3(注)」を首都ビエンチャンで開催した。本イベントには、ラオスでのビジネス展開や投資機会、現地企業との連携に関心を持つ日本およびラオスのビジネスパーソンが参加し、会場参加とオンラインをあわせ約200人が集まった。
今回のピッチでは、ラオス国内の社会課題の解決やラオス産品の販売拡大に取り組む企業70社の応募から選抜された14社が登壇した。各社は、LJIのビジネス専門家による約2カ月間のメンタリングを経て、デジタル技術、農業、ハンディクラフトなど多様な分野の事業計画を発表した。
ピッチ後の審査の結果、次の5社が優秀企業として選出された。各社はラオス国内の社会的・産業的課題に着目し、独自のビジネスモデルで課題解決を目指している。
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Herworks Individual Enterprise
:デザイナーが安定的に材料を調達できる環境を整えるため、職人技術と持続可能な草木染め文化を継承する伝統織物センター「タレオセンター」を設立・運営する。地域文化の保護とサプライチェーンの強化を両立。
- Viyada Industrial Plantation Export-Import:パーム油精製過程で生じる副産物のヤシ殻をキノコ栽培に転用し、廃棄物ゼロを目指す。農業廃棄物の再資源化による循環型ビジネスモデルを構築。
- Print Squares:使用済みペットボトル由来の廃プラスチックを原料に、3Dプリンターで機械部品を製造。コーヒー焙煎所などの中小製造業向けに、ラオス国内で安価かつ短納期で部品供給を実現。
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Sensornode IoT Technology
:工場の機械や設備にセンサーを取り付け、クラウド上でデータを監視・分析する「センサークラウド」を開発。この技術により、製造現場の稼働率やエネルギー効率を高め、故障やトラブルを未然に防止する。
- Saduak Dee Automation Group:ライドシェアタクシー事業者や一般家庭など、洗車設備を持たない利用者向けに、時間帯を問わず利用可能なスマートセルフ式の洗車場を提供する。
これらの入賞企業は、資金調達や実証事業を経て、2026年7月に予定されている最終ピッチイベントに登壇する予定で、今後の事業展開が注目される。
ピッチの様子(ジェトロ撮影)
(注)主催がLJI、共催が国際協力機構(JICA)、ジェトロなど(2022年6月1日記事参照)。SUSUは、スタートアップ(Start-up)およびスケールアップ(Scale-up)を意味し、SDGs(持続可能な開発目標)の実現に向けて取り組む起業家や企業を「応援する(ラオス語でスースー)」ピッチイベント(2022年10月6日記事、2024年8月23日記事参照)。
(武井浩人、プービエン・コンシハラート)
(ラオス、日本)
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