ミルジヨエフ大統領が訪米、重要鉱物や金融・技術などの分野で協力拡大
(ウズベキスタン、米国)
タシケント発
2025年09月30日
ウズベキスタンのシャフカト・ミルジヨエフ大統領は9月20日から24日まで米国ニューヨークを訪問し、国連総会の一般討論や米国企業との円卓会議に出席した。23日には、米国のドナルド・トランプ大統領と会談した。両首脳は2国間の戦略的パートナーシップのさらなる強化で合意した。
ミルジヨエフ大統領の訪米中に、運輸、重要鉱物、金融、エネルギー、ガス産業などの分野で、ウズベキスタン政府および企業が米国企業との間で協力文書を締結した。
重要鉱物分野では、戦略的に重要な希土類鉱物の有望地域での地質調査の実施について、ウズベキスタン鉱業・地質省がコーブ・キャピタルと合意した。ミルジヨエフ大統領は22日、鉱物商社のトラクシスなど米国企業などの幹部と会談した。トラクシスとは、重要鉱物の採掘、加工、サプライチェーン構築における米国技術の導入について合意した。トラクシスは、ウズベキスタンにおけるタングステン、モリブデン、銅の鉱床開発に関心を示している(「スポット」9月23日)。2024年9月に両国間で重要鉱物分野の協力強化の覚書が署名されており、それ以降、連携が本格化している(2025年4月25日記事参照)。
金融・投資分野でも協力が進展した。ミルジヨエフ大統領は資産運用大手のフランクリン・テンプルトンの経営陣と会談し、タシケント証券取引所の発展に向けて同社が専門的支援を行うことで合意した。資産管理大手BNYとの会談では、ウズベキスタンの大手企業のユーロ債発行に対するBNYによる支援を確認した。米国の投資会社ジェフリーズは、ウズベキスタン国家投資ファンド(2025年6月25日記事参照)の運営と投資家の誘致に参画する予定だ。
ウズベキスタン復興開発基金とバイオロジック・インターナショナルは、人工知能(AI)とバイオテクノロジー分野でのプロジェクトへの資金提供のための基金設立に関する合意書を結んだ。バイオロジック・インターナショナルは2024年に、ウズベキスタンにおけるバイオ燃料、バイオ肥料、食品原料の生産に関心を表明していた(「ウズデイリー」2024年10月24日)。
国営航空会社のウズベキスタン航空は、ボーイング787ドリームライナー14機と、オプションとして同型機8機の購入契約をボーイングと締結した。「Gazeta.uz」(9月23日)によると、契約総額は85億ドルに上り、中央アジアにおける同様の協定として最大規模だ。
ウズベキスタン大統領府の発表(9月22日)によると、今回のミルジヨエフ大統領の訪米により、両国間で合意された貿易および投資プロジェクトの規模は1,000億ドル以上となった。
(ウラジミル・スタノフォフ)
(ウズベキスタン、米国)
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