ウズベキスタン投資産業貿易省、米企業と重要鉱物に関する協定締結
(ウズベキスタン、米国)
タシケント発
2025年04月25日
ラジズ・クドラトフ投資産業貿易相を団長とするウズベキスタン代表団は4月7日、訪問先の米国で、ウズベキスタンの重要鉱物の開発に関して、米国企業と複数の協定に調印した(投資産業貿易省発表、4月9日)。同協定には、米国による探鉱開発への投資や、高圧粉砕設備の建設、技術供与、ウズベキスタン人専門家の高度な研修などを盛り込んだ。ただ、今回の協定の具体的な当事者は明らかになっていない。
重要鉱物を巡る両国の関係強化の動きは2024年から始まっていた。両国は同年9月、重要鉱物分野の協力強化の覚書に調印した。ウズベキスタン鉱山地質省は、この覚書は探査、生産、付加価値製品供給の構築に向け、両国の関係強化の基礎となると評していた。今回の協定への調印はこの覚書の内容を具体化するものだ。
米国は、トランプ政権が重要鉱物の国内生産力を増強する(2025年4月22日記事参照)。一方、重要鉱物へのアクセスの多角化も続けている。今回の協定もその一環とみられる。重要鉱物の探査プロジェクトに投資する米国企業コーブ・キャピタルのピニ・アルサウス最高経営責任者(CEO)は、米国にとって重要鉱物の供給元としてウズベキスタンの戦略的重要性を指摘した(「ウズデーリー」3月30日)。米国務省のタミー・ブルース報道官は、原子力技術や重要鉱物の協力促進などによる両国の戦略的パートナーシップの強化に期待を寄せていると発表した(在ウズベキスタン米国大使館4月9日)。
ウズベキスタンの重要鉱物を巡っては、米国以外から関心を高めている。ウズベキスタンは2024年4月にEUと重要原材料(CRM)分野で戦略的連携を開始する覚書、6月には韓国と資源の探査、開発、加工に関する協定にそれぞれ調印した。2025年2月には、マレーシアの3社と高純度単結晶・多結晶シリコン、超高純度グラファイトの生産に関する共同プロジェクト開発の協定を締結した。ウズベキスタンにはリチウムや黒鉛、マグネシウム、タングステン、モリブデン、タンタル、ニオブを含む32種類の重要鉱物が埋蔵されている。
(ウラジミル・スタノフォフ)
(ウズベキスタン、米国)
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