イラン大統領、上海協力機構首脳会談に参加、中国との関係強化も強調

(イラン、ロシア、中国)

テヘラン発

2025年09月12日

イランのマースード・ペゼシュキヤーン大統領は8月31日、中国天津市を訪問し、上海協力機構(SCO)の第25回首脳会議に参加した〔9月1日付イスラーム共和国通信(IRNA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます〕。会議では、加盟国の首脳らが安全保障、麻薬対策、人工知能(AI)、グリーン産業、科学技術協力、多国間貿易、持続可能なエネルギー開発など、幅広い分野における多国間協力の強化を目的とした20以上の文書に署名した(2025年9月3日記事参照)。

ペゼシュキヤーン大統領は、SCO首脳会議の成果として、単独行動主義への対抗と多国間主義の発展に向けた努力を強調。SCOは加盟国首脳やSCOプラスのメンバーと会う絶好の機会であり、参加国首脳との建設的な協議を行ったと述べた(9月2日付IRNA外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

さらに、9月2日には中国の北京で同国の習近平国家主席と会談し、イラン・中国両国が2021年に結んだ「イラン・中国包括的協力プログラム」(2021年3月29日記事参照)の完全履行を誓約し、両国の戦略的関係拡大の決意をあらためて強調した。ペゼシュキヤーン大統領は、習国家主席のグローバルガバナンス構想への支持を表明し、両国関係を「最高レベル」に引き上げるため、いかなる状況下でも中国と協力する用意があると述べた。また、中国を「強力かつ断固としたパートナー」と位置づけ、高速鉄道や高速道路などの共同プロジェクトへの関心を示した(9月2日付IRNA外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

同日、イラン・中国・ロシアの外相は、欧州3カ国(英国、フランス、ドイツ)が「包括的共同行動計画(JCPOA)」に基づき、イランの不順守を理由に国連制裁の復活を求める「スナップバック(制裁の解除・緩和の取り消し措置)」の発動を通知したことに対し、国連事務総長および国連安全保障理事会議長宛てに共同書簡を提出。国連安全保障理事会に対し、欧州3カ国の動きを無効と判断するよう求めた(9月2日付IRNA外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

(マティン・バリネジャド)

(イラン、ロシア、中国)

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