イラン、中国と25カ年の包括的協定を締結

(イラン、中国)

テヘラン発

2021年03月29日

イランと中国は3月27日、経済や安全保障における協力を強化する25カ年の協定を締結した。中東歴訪の一環として、3月26~27日にテヘランを訪問していた中国の王毅外相と、イランのモハマド・ジャバッド・ザリフ外相が「イラン・中国包括的協力プログラム」と題する文書に署名した。イランと中国の双方は2016年に、包括的な協力プログラムを締結することに合意していた。

3月27日付のイラン外務省の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでは、本協定は、経済、文化などのさまざまな分野におけるイランと中国の2国間協力とその展望について記したもので、両国の継続的な発展と包括的な戦略的パートナーシップを促進するものとしている。

王外相は、ハッサン・ローハニ大統領とも会談した(3月27日付イラン外務省ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。ローハニ大統領は会談で、中国との関係はイランにとって戦略的かつ重要とし、国際社会における中国のイランに対する支援に謝意を表するとともに、両国の長期的な協力関係の発展と深化について言及した。これに対し王外相も、中国もイランとの2国間協力を重要視しているとした。また、米国によるイランに対する一方的な制裁については、違法で非人道的な行為だとして常に反対してきたと述べた。

署名後、ザリフ外相は「私たちの包括的で戦略的なパートナーシップに関する、グローバルかつ地域的な2国間の協力関係の拡大に関する優れたやり取りは、ついに歴史的な25カ年の戦略的ロードマップの署名に至った」とツイッターに投稿した(3月27日付イラン外務省ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。また、外務省報道官も「イランと中国の包括的な戦略的パートナーシップは新たな段階に入った」とツイッターに投稿した(3月27日付イラン外務省サイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

イランの保守系メディア「タスニム通信」(3月28日)は、事実関係を報じるとともに、「本協定は中東における中国の影響力を拡大し、イランを孤立させる米国の努力を妨げる可能性がある」と報じる「ニューヨーク・タイムズ」紙や「ウォールストリート・ジャーナル」紙の記事を引用した。また、別のニュースサイトは、中東および世界情勢の分析とともに、本協定を肯定的に捉えるコラムを掲載している。

(鈴木隆之、マティン・バリネジャド)

(イラン、中国)

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