米ウェイモ、サンノゼ空港で自動運転の商業運行許可を取得、テスラも参入模索

(米国)

サンフランシスコ発

2025年09月12日

米国の自動運転開発企業のウェイモは9月4日、シリコンバレーの玄関口であるサンノゼ・ミネタ国際空港(SJC)におけるサービス提供の許可を取得した。カリフォルニア州の空港での許可取得は初。サンノゼ市での展開計画の第一歩として、まず社員による完全自動運転の試験走行を開始し、2025年内には一般利用者向けの商業サービスを開始する予定だ。これにより、SJCを利用する乗客は到着後にウェイモアプリで自動運転車を呼び出し、ベイエリアの目的地まで移動できることになる。

サンノゼ市のマット・マハン市長は「シリコンバレーの首都にふさわしい革新」と歓迎し、市の高官や空港幹部も、利便性と信頼性を高める新しい交通手段として期待を示した。

ウェイモは本拠地カリフォルニア州で空港乗り入れ実現に向け、長年取り組んできた。ロビイングを重ね、サンフランシスコ国際空港(SFO)当局と協議したが認められず(2025年1月30日記事2025年3月17日記事参照)、2025年3月に商業サービス展開の第一歩としてSFOでのマッピング作業許可を取得している。

同社はまた、2023年後半からアリゾナ州フェニックスのスカイハーバー国際空港でサービスを開始し、2024年8月には24時間365日体制に拡大した(2024年1月19日記事参照)。

テックメディア「テッククランチ」によれば、ウェイモの車両数は全米で2,000台超に達し、うち約800台をサンフランシスコ・ベイエリア、約500台をカリフォルニア州ロサンゼルス、約400台をフェニックスに配備。さらにテキサス州オースティンやジョージア州アトランタでもサービスを展開している(「テッククランチ」9月4日)。2025年9月2日には、コロラド州デンバーとワシントン州シアトルでの新型ジーカー車両を用いたサービス拡大を発表している。加えて、テキサス州ダラス、フロリダ州マイアミ、首都ワシントンでの商業運行予定や、ニューヨーク(NY)市での試験運行の認可など、事業拡大を急速に進めている。

一方、政治専門誌「ポリティコ」によると、米テスラも、SJCを含むベイエリア3空港に対し送迎サービス許可を模索しているものの、7月からベイエリアで「チャーターサービス」という枠組みで運営しているにとどまる。ただし、実際には、運転手がフルセルフドライビング(FSD)ソフトを用いて走行している様子が確認されており、アプリの稼働とデータ収集を通じて将来的な自動運転タクシーの展開を視野に入れているとみられる(「ポリティコ」9月9日)。

(松井美樹)

(米国)

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