米ウェイモ、アリゾナ州フェニックスの高速道路で運転手なし自動運転の試験走行開始
(米国)
サンフランシスコ発
2024年01月19日
米国のウェイモ(本社:カリフォルニア州マウンテンビュー)は1月8日、アリゾナ州フェニックスの高速道路で運転手なしの完全自動運転による試験走行を開始すると発表した。高速道路での運転手なしの完全自動運転の開始は、ウェイモにとって大きな節目となる。同社はカリフォルニア州やアリゾナ州の公道での移動サービスや、高速道路での自動運転のトラック運用経験(2021年6月21日記事参照)、乗用車の運用経験を何年も積み重ねている。定常的なシナリオを自動的に操縦し、まれにしか発生しない事象への安全な対処法を習得し、体系的な試験、シミュレーションや公道での運用を繰り返して改善する厳密な作業を通して、次の展開へと準備するとしている。
今回の試験走行は、同社の従業員が客として乗り、自動運転専門家の同乗なしで始める。従業員からサービスや乗車体験のフィードバックを得た後に、一般乗客にサービスを拡大する。高速道路を使うことにより、アリゾナ州スカイハーバー空港からスコッツデール北部までの移動時間が50%短縮可能となるという。同社は、高速道路走行能力は他地域への拡大時の重要な要素となるため、高速道路の試験走行に全力集中するとしている。
また、同社はこれまで自動運転の開発で段階的手順(注)を取っており、今後も段階を踏んで技術や運用を展開していくという。これは同社の安全枠組みに準拠した手順でそれに従うとした。
ここで、同社の2023年の動きを振り返ってみよう。アリゾナ州フェニックスでは、サービス範囲を2倍以上に拡大させた。マンハッタンの10倍のサイズの約583平方キロ(225平方マイル)の範囲で、誰でもアプリを使って車を呼ぶことができるようになった。カリフォルニア州サンフランシスコでは、47平方マイル(約122平方キロ)、つまりほぼ市全域をカバーできた。また、同州ロサンゼルスやテキサス州オースティンでもサービスを拡大し、まず、ロサンゼルスでウェイモワンツアー(配車サービスの体験ツアー)を開始し、住民や訪問者に試乗の機会を提供し始めている。
(注)自動運転の専門家が同乗、専門家が同乗せず従業員が利用、一般乗客が利用という段階を踏む。
(松井美樹)
(米国)
ビジネス短信 2b1f28418689821f